■Impression
SONOMA『modelOne』の反発から選んだ『NightHawk Carbon』の音は、ボーカルがなめらかで、音色はウォーム、音像定位はややフワッとしており、音場感も輪郭がハッキリしすぎないので、分析的にならず音楽が楽しめるのだ。さらに装着感が自然なので、同じぐらいの重さで側圧の強い『modelOne』とは全く違い、何時間も連続使用できるのだ。実際、本機を使ってテープ起こしをしているが2時間40分使い続けても、どこも痛くならなかった。
全体的には大人しめの音で刺激的な音を出さないモデルなのだが、実は中域が魅力的だ。ボーカルを楽しむのに最適だ。Audioquestが主張するスピーカーを聞くような音場感は大げさなのだが、ボーカルに限れば奥行き感があり、通常のヘッドフォンより自然な感じに聞こえる。初代『NightHawk』よりも解像度が上がって、曖昧模糊とした部分が改善されている。まったりしすぎてスピード感も、通常の速度に感じられる。
使ってみると付属ケーブルはベタベタするし、スマホ対応の4pinというのも、ヘッドホンアンプやDAPに接続する時は無意味なので、早速、イギリスにリケーブルを発注、日本製のφ2.5mmバランスケーブルも届き、次回、リケーブル編で『NightHawk Carbon』の音がどう変わるかをお伝えしたい。
写真・文/ゴン川野
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!