■Report
Audioquestは皆さんご存じのようにケーブルで有名なオーディオメーカーである。『NightHawk Carbon』には前作の『NightHawk』があり、このヘッドホンはスピーカーのような3次元サウンドが再現できるという鳴り物入りで登場した。まずイヤーカップにリキッドウッドと呼ばれる木を素材にした樹脂のような素材が使われている。イヤーカップの形状はFEAソフトを使って解析され共振を抑えている。また、グリルは蝶の羽根のような構造で3Dプリンターを使い立体加工されている。
ドライバーにはバイオセルロース振動板を採用。制御された低音域、豊かな中音域、そして自然に広がる高音域が得られるという。バイオセルロースと言えば1989年に登場したSONY『MDR-R10』を思い出さずにはいられない。樹齢200年以上のケヤキをハウジング使い、イヤーパッドはギリシャ産ラムスキンで受注生産モデルである。蘇るのかバイオセルロースの音。
『NightHawk Carbon』と『NightHawk』の違いは、まずウッドのような塗装がカーボングレーメタリックの高光沢塗料に変更されたこと。これがカーボンのネーミングの由来らしく、実際にカーボンパーツは使われていない。それから付属ケーブルの変更。2種類の音質が変わるイヤーパッドが付属。ヘッドパッドの改良。内部パーツの製造許容誤差をシビアにして空気漏れを抑え、エアフローと歪みが改善されたという。私的には茶色っぽい塗装が嫌いだったので、ガンメタ風になって良かった!
セミオープン型でヘッドバンドは自動調整式を採用。ハウジングは4本のゴムによって支えられるという非常に凝った構造になっている。
紙箱を開けるとほぼ同じサイズのソフトケースが現れる。無駄に大きくないのでキャリングケースとしても優秀だ。
ケースの素材は生物由来の合成皮革で、ケースの中に説明書や付属品が全て収められるという合理的な設計になっている。