■『ARROW/アロー』
1941年初登場の歴史あるスーパーヒーロー、グリーンアロー。億万長者でイケメンでモテ男、とバットマンによく似ている設定だ。世界中の熱狂的なファンから支持され、今春にはめでたくシーズン7の更新が発表された。
主人公のオリバー・クイーンは、大企業クイーン社を経営する偉大な父親ロバートに憧れつつもコンプレックスを抱く、どうしようもない放蕩息子だった(ボロクソ)。しかも、あろうことか恋人の妹サラと浮気し、ロバートと3人で船旅を楽しんでいた。
しかし、船の遭難事故でサラとロバートは死亡。ひとり生き残ったオリバーは、漂着したリアン・ユー島でのサバイバル修行を経て超人的な身体能力を身につけ、スーパーヒーロー“グリーンアロー”として生まれ変わった。ロバートが死ぬ間際に託した悪人リストを手に、オリバーは生まれ故郷スターリング・シティ(後にスター・シティに改名)から悪を一掃するべく立ち上がる!
本人も「俺はサイテーだった」としばしば振り返っているように、出だしは最悪だ。よりによって恋人の妹に手を出して、不可抗力とは言え自分だけ助かるなんて……。恋人のローレルと父親のランス刑事も呆れかえっていた。
しかし、一番呆れて失望していたのはオリバー本人だったのかもしれない。“必ず変わってみせる”と固く決心すれば、人は何歳からでも変わることができるということをオリバーは教えてくれる。
また、本作ではオリバーをはじめ主要キャラクターが体を鍛えるシーンが頻繁に登場する。「健全な魂は健全な肉体に宿る」ということわざがあるが、心を磨くためにはまず肉体から……というのも有効なようだ。