いつか出世して経営者になって、リッチなクルマで送迎をされるようになりたいーーそんな願望をお持ちの方もいるのではないだろうか。今回は日本を代表する国産のVIPカーをピックアップ。知られざるその中身をチェックした。
東京都心部、特に丸の内や永田町あたりを走っていると、黒塗りの高級セダンに混ざって、最近はトヨタ『アルファード』のような大型1BOXの姿を見かけるようになった。これまでファミリーカーとして人気だった1BOXカーが企業や議員のVIPカーとして使われる時代へと変わりつつある。
ではもしあなたが経営者になったとしたら、高級4ドアセダンか、大型1BOXかどちらに乗りたいか。そこで今回は切り口を変えて、昨年末フルモデルチェンジしたレクサス『LS』と、マイナーチェンジをした『アルファード』の乗り心地や快適性を比較した。
◎社用車としてのニーズが大きいハイブリッド車
レクサス『LS』は、先代よりボディーを大型化し、パワーユニットはV6の3.5Lと、V6の3.5L+モーターのハイブリッドが用意されている。一方『アルファード』はV6の3.5Lと、直4、2.5Lのガソリンエンジンと、直4、2.5L+モーターのハイブリッドが選べる。ちなみに、ハイブリッドは4WD、ガソリン車は2WD(後輪駆動)も選択可能だ。トヨタの発表によるとレクサス『LS』は2月末時点で約1800台の受注があり、納車は2か月待ち。ちなみに、ハイブリッド車は約85%が法人需要で、圧倒的に社用車としての需要が大きいようだ。今回試乗したのは、最高級グレードの「エグゼクティブ」。後席は3人掛けだがアームレストを備えており左右2名が快適定員。左席には足元にオットマンも装備されており、温感マッサージ機能が搭載されている。
一方『アルファード』も最上級の「エグゼクティブラウンジ」は、7人乗りで2列目がオットマン付きのセパレートタイプ。折り畳みテーブルも装備され飛行機のビジネスクラス並みにリラックスできる広さが魅力だ。2台の後席を乗り比べると、乗り降りについては『アルファード』のほうがラクだというのは一目瞭然だが『LS』もドアの開口部が大きく、座面も高めなので乗り降りはしやすい。
肝心の乗り心地だが、両車とも街中では細かいゴツゴツ感が伝わってきた。また高速道では上下動の収まりの甘さも気になった。ただ静粛性では『LS』のほうが断然上。『アルファード』は遮音性を高めることができれば、VIPカーとしては満点だといえる。