■連載/阿部純子のトレンド探検隊
◆検知・清浄・循環の3つの機能を備えた新しいタイプの空気清浄機
4月に新発売されたダイソンの空気洗浄ファン「Dyson Pure Cool(ダイソン ピュア クール)」。PM0.1レベル(アレルゲン物質、バクテリア、花粉、カビなど)の微粒子を99.95%捕えて部屋の空気をきれいにし、さらに清浄された空気を送り出して扇風機としての機能も有している。
新製品のプレゼンテーションのために来日したダイソン バイス プレジデントのポール・ドーソン氏は、日本の家庭事情やニーズを徹底的に検証した製品だと話す。
「ダイソンが空気洗浄機の分野に進出して3年しか経っていないが、フィルター技術、気流の技術など家庭における微粒子の除去に関しては、25年前から掃除機を通じて取り組んできた。
空気汚染はグローバルな問題で日本でも大きな課題になっており、福岡ではPM2.5の注意喚起が行われている。外から汚染物質が入ってくることに加え、ペット、アロマキャンドル、料理の煙など室内でも汚染物質を発生させている。日本における室内の空気汚染は外部の7倍になるとわかった。これは燃費効率を高めるため住居の密閉性が高くなったことに起因し、汚染物質を室内に閉じ込める状況を作っている。窓を開けて換気すればよいが、さまざまな理由があり窓を開けられない実情もある。
空気清浄機は部屋の片隅に置くことが多いが、従来の空気清浄機は空気をきれいにしても気流を作って循環させる機能がなかった。空気清浄を考えたとき必要な機能は、汚染物質の種類の検知、汚染物質の除去、きれいになった空気の循環の3つがある。新製品はこの3つの機能を追求したものだ」(ドーソン氏)
検知:3つのセンサーが連動してダイソン独自のアルゴリズムで汚染物質の種類を判別して処理する。超微粒子センサーはレーザー計測により微粒子の大きさや濃度を検知できる。有害ガスやニオイを検知するセンサーはベンゼン、ホルムアルデヒドなどのVOCや二酸化炭素を検出。温度や湿度を検知するセンサーは室内の温度と湿度を計測する。
清浄:汚染物質を捕えた後は清浄の作業を行う。高密度フィルターに従来よりも60%多くHEPA材を組み込んだ。HEPA材とは9mのマイクロファイバーをプリーツ状に250回折り込んだもの。PM0.1レベルの超微細な粒子を99・95%除去できる。フィルターには有害なニオイを吸収する活性炭を、従来フィルターより3倍以上増加。塗料や燃焼しているキャンドル、ウレタンフォームなどから放出される汚染物質を一度通過するだけで捕らえることができる。
循環:清浄された空気を部屋の隅々まで届ける。首振りは350°まで拡大し、毎秒290ℓの空気を部屋全体に送ることができる。日本市場をリサーチした結果、冬場も空気清浄機能は欲しいが涼しい風には当たりたくない要望を反映して「ディフューズドモード」を搭載。涼しい風が必要ないときは、背面から空気が出るように切り替えができる。