「仮面ライダー」といえば、誰もが1度は憧れたヒーロー。最近では、女の子が変身ベルトが欲しいと泣きじゃくる動画が話題にもなったり、男女問わず子どもから大人まで、今も絶大な人気を誇る特撮ヒーローシリーズだ。
その「仮面ライダーシリーズ」の中でも特別な存在なのが、『仮面ライダーBLACK』(1987年10月~1988年10月放送)と『仮面ライダーBLACK RX』(1988年10月~1989年9月放送)。シリーズ第1作『仮面ライダー』から47年、2年連続して同じ主人公だったのは『BLACK』『BLACK RX』の南光太郎だけなのだ。
昨年は『仮面ライダーBLACK』が30周年として盛り上がり、今年は『仮面ライダーBLACK RX』が30周年。その記念としてバンダイの魂ウェブ商店から、仮面ライダーBLACK RXの必殺武器「リボルケイン」が商品化されることになった。最新技術を駆使し、さまざまなギミックを内蔵して再現された『TAMASHII Lab 仮面ライダーBLACK RX リボルケイン』はまさに大人仕様! 玩具とは一線を画したコレクターズアイテムとして注目を浴びている。
仮面ライダーBLACK RXのスーツアクター、岡元次郎さん(左)と、RXに変身する南光太郎を演じた倉田てつをさん。岡元さんが手にしているのは『TAMASHII Lab 仮面ライダーBLACK RX リボルケイン』の試作品。
@DIMEは今回特別に、『仮面ライダーBLACK RX』で仮面ライダーBLACK RXに変身する主人公・南光太郎を演じた倉田てつをさんと、仮面ライダーBLACK RXのスーツアクターだった岡元次郎さんにお話をうかがうことができた。30年を経ても変わらぬ特撮ヒーローへの熱い思いを受け止めてくれ!
■『仮面ライダーBLACK RX』出演は石ノ森先生への恩返し
倉田てつを(くらた てつを)/1968年9月11日生まれ。『仮面ライダーBLACK』南光太郎役で俳優デビュー、続く『仮面ライダーBLACK RX』でも同役を演じる。その後、NHK連続テレビ小説『君の名は』(1991年)主演、TBS『渡る世間は鬼ばかり』シリーズ(1996〜2005年)などにも出演。現在は、インドネシア等海外での活動に力を入れており、9月8日~12日インドネシアでの活動を日本のファンの方々にも楽しんで頂けるツアーを実施する。お問い合わせ先は、グローバルアイ(03-5720-5777)まで。
───シリーズとして2年連続で続いた作品は『仮面ライダーBLACK』『仮面ライダーBLACK RX』だけですね。
倉田:当時、キャラクター番組はアニメが主流で、特撮という時代ではなかったんですよ。そんな中、人気の「仮面ライダー」をもう1度、ということで6年ぶりに復活したのが『仮面ライダーBLACK』でした。「視聴率が取れなければ2クール(半年)で終わります」とは言われてましたね。
岡元:でも『BLACK』が始まるときから、できれば2~3年やりたいという話はあったと思うんです。結果、すごく人気が出て続けることができたんですよ。
倉田:僕らが『BLACK』をやっていた後半の頃には、次回作の主役オーディションをやっていたんです。でも石ノ森先生が決めかねたようなんですね。あるときに先生と吉川進プロデューサーに呼ばれて、食事をしながら先生から「次の役者が見つからない、君に代わる仮面ライダーはいない、もう1年演じてくれ」と言われたんです。
岡元:当初は主役を変えて次の新しい「仮面ライダー」を作るということだったんでしょうね。僕も次の仮面ライダーをやるようには言われていませんでした。
岡元次郎(おかもと じろう)/1965年1月5日生まれ。ジャパンアクションエンタープライズ所属。仮面ライダーBLACKのスーツアクターとしてデビュー。続く仮面ライダーBLACK RXほか、スーツアクターとして数々の仮面ライダー、スーパー戦隊ヒーロー、怪人を演じ続けている。
───続編として『仮面ライダーBLACK RX』が作られると決まったときのお気持ちは?
岡元:新人だった僕が『BLACK』で仮面ライダーのスーツアクターになるのは大抜擢でした。たぶん普通はないような話でしたから、『RX』で「お前がやれ」と言われたらやるしかない、やらないという理由はない。経験とかまったくないままでやった『BLACK』の1年はチャレンジ、チャレンジの毎日で、『RX』でさらに新しいことを学べるチャンスだと僕は思いました。
倉田:『BLACK』のときは東映の映画館に「仮面ライダー主演者大募集」というポスターが貼ってあったりして大々的なオーディションが行われたんです。最終オーディションでは有名な役者さんたちがたくさんいて、ホントに自分が選ばれるとは思わずにいたので、ビックリどころの騒ぎじゃなかったですね。でも撮影はほんとに大変で過酷で、今だから言えますけれど『RX』でまた南光太郎を演じることになったときは「またこの生活を1年やるのかぁ……」とは思いました。でもやっぱり「石ノ森先生に恩返しをしなくては」と思ったんです。主役に選んでいただいて、最後までやり遂げることができたのも、先生の励ましがあったから。プライベートでお食事に連れて行ってもらったり、ご自宅にもお邪魔させていただいたり、本当にかわいがっていただいたので『RX』で少しでも先生に恩返しがしたかったんです。次郎さんからも兄貴分みたいに兄弟同然にかわいがってもらって、また一緒にヒーローを演じたいという気持ちもすごくありました。