またこのモデルのもうひとつの特徴は、ソールに採用されている素材「BOOSTフォーム」にもある。
「このアディダスが独自開発した素材は、着地による衝撃を一度吸収し、沈んだ分を反発力として推進力に変換します。また耐熱性、耐寒性にも強く、従来の素材に比べ気温の差による硬度変化が起こりづらくなっています。この素材を前足部からかかとまで採用しているので、着地するポイントに関係なく、推進力をランナーにもたらしてくれます。パフォーマンス面だけでなく、スタイリッシュなデザインも人気の理由のひとつです」と語るのはアディダスジャパンの安藤亮平さん。
実際に走ってみると、このBOOSTフォームの恩恵をかなり感じる。着地する時はフカフカ、そのあとすぐにバネのように足裏を押し返してくる。いつもよりゆっくり目のペースで走っても、グン!と下から前方へのパワーを感じる。
またアウトソールに採用されたラバーもそれを後押ししてくれる。世界的タイヤメーカーが開発した「コンチネンタル製ラバー」を採用しているので、乾いた路面はもちろん、滑りやすい路面でもしっかりとグリップ。着地のパワーをロスなく推進力に変換してくれる。
「ランニングにはもちろん、落ち着いた色味やプライムニット素材のアッパーなど、デザイン性が高いためカジュアルシーンにも適している」と安藤さんはいうが、実際、街履きでこのシューズを使われていることも多いがランニングで使われていないのがもったいなく感じる。確かに価格的にはちょっと高いかもしれないが、ソールの耐久性があり、普段からレースまで使用しても、長期間使うことができるだろう。
街履きだけにしておくのはもったいない。誰にでもフィットするアッパー素材、さらにはフワフワしているようでいて、しっかり体重を受けとめ反発するソール。バネのようなに軽やかに走れるシューズは、筋力がないランナーであっても、背中を押してくれる力を感じられるはず。気温の変化で機能が変わらないので、どんな時でも変わらないパフォーマンスが発揮できるだろう。
アディダス
『Ultra BOOST Uncaged』(ウルトラブースト アンケージド)
2万2000円
重量:304g(27cm片足重量)
問い合わせ/アディダスジャパングループお客様窓口
TEL0570・033・033(土日祝除く、9:30~18:00)
取材・文/今 雄飛(こん ゆうひ)