現在、時刻表に掲載される定期夜行列車は、寝台特急〈サンライズ瀬戸〉〈サンライズ出雲〉のみ。車両はJR西日本とJR東海が共同開発した285系サンライズエクスプレスで、デビューから早20年を迎えた。これからも絶対に必要なサンライズエクスプレスを御紹介しよう。
■東京―岡山間は併結運転
285系は、JR西日本車3編成(上側)、JR東海車2編成(下側)の計5編成が在籍。
285系は1998年3月に登場。室内空間を最大限確保するため、7両中5両をダブルデッカー(2階建て車両)にしたほか、住宅メーカーの協力を得て、温かみのある空間を創出。JR西日本車は基本番代、JR東海車(同年4月登場)は3000番代に分けたことを除き、エクステリア、インテリアとも共通設計とした。7月10日に上記列車でデビュー。人々に強烈なインパクトを与えつつ、淡々と職務をこなす。
寝台特急〈サンライズ瀬戸〉は東京―高松間(日によって高松―琴平間延長運転)、寝台特急〈サンライズ出雲〉は東京―出雲市間を結ぶ。いずれも東京―岡山間は両列車の併結となる。前者の下りは1~7号車、上りは8~14号車。一方、後者の下りは8~14号車、上りは1~7号車で、上下列車とも、同区間は前者が先頭となる。
なお、4・11号車の一部と、6・13号車を除き、全面禁煙のほか、全区間車内販売もない(飲料の自販機は3・10号車に設置)。従って、食料などは乗車前に購入することをお忘れなく。
■寝台車は、すべて個室
この車両最大の特徴は、寝台車をすべて個室にしたこと。カギはテンキー式で、任意の4ケタの番号を指定すると、施錠と開錠ができる。
室内はNHKのFM放送が聴けるほか、目覚まし時計、非常用ボタン、照明のスイッチ、コンセントなどを装備。また、全個室、全席に紙コップが用意されており、例えば就寝前や食後の歯磨きに使える。
なお、料金は「運賃+特急料金+寝台料金(一部を除く)」などを加算した額となる。詳細については、『JR時刻表』(交通新聞社刊)などを御参照いただきたい。