■琴勇輝が、禁止されても食べたいものとは?
栄養面に気を配り、カロリー表示を見るクセが付いているという稀勢の里関のように、食べるものに注意している力士は多い。一方、「節制のしすぎは、逆にストレスになるのが持論」の力士もいる。琴剣さんの後輩力士の琴勇輝関もその1人だ。
周囲からはマックは禁止されているが、琴勇輝関は「バレずに食べます」と涼しい顔。「悪いものを食べているって背徳感が逆に美味しくさせるんですよ。マックをまとめて買ってきたら、まずは暗い部屋にとじこもります。大好きなダブルチーズバーガーの袋をあけたら、まず袋にへばりついているチーズを指ですくって口にふくみます」と打ち明けるほどだが、マック好きの力士は割といるらしい。
このほか、血糖値を抑えるため雑穀米を自炊するものの、たまのごほうびとしてお気に入りの弁当屋さんで好きなものを買う宝富士関、肉の名店ベスト5を教えてくれる二子山親方など、本書では力士と食にまつわる話が開陳されている。相撲に興味のある方は、一読してみてはいかがだろうか。
琴剣淳弥さん プロフィール
1960年福岡県田川郡生まれ、本名は宮田登。社団法人日本漫画家協会会員。15歳で佐渡ヶ嶽部屋に入門し、1976年春場所に初土俵を踏む。子供の頃から漫画家になりたい夢と同時並行で、現役中からスポーツ新聞に漫画連載を持つ。1986年秋場所で引退後、ちゃんこ屋の主人を経て、現在は相撲漫画家として『相撲』(ベースボール・マガジン社)に連載をもつほか、日本相撲協会の公認グッズ、テレビ・ラジオ番組の出演など多方面で活躍。『秘伝!大相撲ちゃんこレシピ-家庭でカンタンにできる、相撲部屋直伝の味』(ベースボール・マガジン社)などの著書もある。
文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)