3.電源回路をセパレートし、ノイズの影響を排除。
リアルタイムの回転数表示も可能なコントロールユニット
電源の供給および高精度な回転数表示を行うコントロールユニットは、本体への不要なノイズの混入を抑制するためにセパレート化。さらに、新設計の電源によりモーターの高トルク化と応答性の高さを実現。加えてノイズ成分を抑制する回路を組み込み、徹底した音質対策を施した。本体との接続に対しても、車載用に用いられる信頼性の高い通信方法を採用した。また、コントロールユニットの操作でLP盤(33 1/3回転)、EP盤(45回転)、SP盤(78回転)の回転数選択が可能で、回転数も0.01rpmの精度で最大約±16%の範囲で調整できるようになった。さらにディスプレイには有機ELを採用し、高精細な表示が可能となった。
4.従来のSP-10シリーズのシステムから置き換え可能
SP-10MK2、SP-10MK3との互換性(SP-10R)
SP-10Rの底面の形状・取り付けビス位置は、SP-10MK2、SP-10MK3と互換性を維持している。そのため、SP-10MK2、SP-10MK3のために設計されたターンテーブルベースへそのまま取り付けが可能で、お使いのターンテーブルベースやトーンアームを引き続き使用いただける。また、コントロールユニットの形状は、SP-10MK2用のパワーユニットと同サイズとしており、容易に置き換えが可能だ。
5.レコードに刻まれた音のエネルギーを引き出すため、
不要振動を徹底的に排除したシステム構造(SL-1000R)
ターンテーブル部は、25mm厚の無垢削り出しアルミパネル、アルミダイカスト、BMC(バルク・モールディング・コンパウンド)を組み合わせた3層構造を採用。さらにベース部は30mm厚の無垢削り出しアルミパネルとBMCによる2層構造とし、システム全体で5層からなる筐体構造を採用し不要振動を排除する。そして、シャーシを支えるインシュレーターは、高い振動減衰特性と長期の信頼性を兼ね備えた特殊シリコンラバー「αGEL」(*)を採用し、外部からの振動を遮断する。また、トーンアームパイプの素材には軽量で高い減衰特性を持つマグネシウムを採用し、アーム有効長(トーンアーム回転軸から針先までの距離)を254mmとしてトラッキングエラーを低減し、読み取り精度を高めた。トーンアーム部の信号出力端子は信号線とアース線が一体となったDIN端子(※1)を採用。お好みのDIN端子対応のPHONOケーブルが使用できる。このほか、内部配線材にOFC線を採用し、接続端子部を収めるケースはアルミ無垢削り出しとし、純度の高い信号伝送を徹底して追求している。
*:αGELは、株式会社タイカから提供されている素材であり、株式会社タイカの登録商標です。
※1:ストレートタイプのDIN端子ケーブルのみ対応。DIN端子ケーブルは別売。
6.最大3本までのトーンアームを取り付け可能な構造を採用(SL-1000R)
ターンテーブル部と強固に締結する構造のトーンアーム部は、別売のトーンアームベースを増設することで標準トーンアームと合わせて最大3本まで取り付け可能。トーンアームベースは10種類準備しており、代表的なトーンアームと組み合わせができ、トーンアームの交換や増設に対応している。
・3本のうち、1本はロングアーム用。
■主な仕様
『SP-10R』
メインユニット:365×109×365mm 約18.2kg
コントロールユニット:110×84×350mm 約2.1kg
『SL-1000R』
メインユニット:531×188×399mm(ダストカバー有り)約40.2kg
コントロールユニット:110×84×350mm 約2.1kg
構成/編集部