パナソニック株式会社は、テクニクスブランドのハイエンドと位置づけるリファレンスクラスのターンテーブルとして、ダイレクトドライブターンテーブル『SP-10R』およびダイレクトドライブターンテーブルシステム『SL-1000R』を5月25日より発売する。価格は『SP-10R』が80万円、『SL-1000R』が160万円
近年、アナログレコードの需要が世界的に拡大しており、長年のレコード愛好者だけでなく、若年層や再びレコードを楽しみ始めた中高年の音楽愛好家にも人気が広がっている。
本製品は、1970年にテクニクスが世界で初めてダイレクトドライブ方式を採用したターンテーブル「SP-10」や、放送局などのプロフェッショナルユーザーからも高い評価を得、今なお多くのオーディオ愛好家に愛用されている「SP-10MK2」(1975年発売)、「SP-10MK3」(1981年発売)を継ぎ、2015年のターンテーブル開発への再挑戦からこれまでに培った技術やノウハウを進化させた新たなハイエンドターンテーブルだ。
ステーターコイルを両面に配置した新開発のコアレス・ダイレクトドライブ・モーターや約1トン・cm2におよぶ慣性質量を実現した3層構造の重量級プラッターにより、ワウ・フラッター0.015%の安定した回転精度を実現するとともに、コントロールユニットを別筐体とし、不要なノイズの影響を徹底して排除するなどにより、アナログレコードの豊かな音を鮮やかにありのままに再現する。
【特長】
1.高トルクとなめらかな回転を実現する、
新開発コアレス・ダイレクトドライブ・モーター
テクニクス史上最高の回転精度を追求し、コアレス・ダイレクトドライブ・モーターをさらに進化させた。ステーターコイルを両面に配置した12極18コイル駆動を採用し、高トルクを実現。さらに両面のコイルを60度ずらして配置することで相互干渉を低減すると共に、ステーター基板の剛性を高めている。また、モーターの回転制御はブルーレイディスク機器の開発で培った最新のモーター制御技術を応用。モーターの高トルク化に合わせて回転制御アルゴリズムを進化させ回転中の不要な振動を抑える、きめ細かい制御を行っている。これらにより、測定限界ともいえるワウ・フラッター0.015%を達成。モーターによる回転ムラの影響を解消し、高精度かつなめらかな回転を実現した。
2.約1トン・cm2におよぶ慣性質量で安定した回転を実現する
重量級ターンテーブルプラッター
ターンテーブルプラッターは、10mm厚の真鍮、アルミダイカスト、高減衰ラバーによる3層構造を採用することで、高い剛性と振動減衰特性を実現した。また最上部の真鍮の最外周部には純金と並んで比重が大きいタングステンウェイトを12個埋め込んだ。タングステン材は、電球や蛍光灯などを長年にわたり自社で開発・生産してきた技術を活かし、高精度に加工し、真鍮に強固に結合している。これにより、プラッター総重量は約7.9kgとなり、約1トン・cm2におよぶ慣性質量を実現した。また、組み立てられたプラッターは工作機械に要求されるレベルの高精度なダイナミックバランス加工を行うことで、極めて高い回転精度を確保している。