「うわー、ピンボケだわ」
せっかく切り取った大事な瞬間も、ピントがズレてボケボケでは台無しです。
ピンボケは失敗写真の代表的なパターンだとは思いますが、そもそも『ピント』とは何なのでしょうか。これが理解できているかいないかは、撮る写真の出来に大きく影響します。ピントを理解することは、脱初心者の必修科目なのです。
■MF(マニュアルフォーカス)は考え方がシンプル
ほとんどの方が、AF(オートフォーカス)で撮影しているかと思います。シャッターボタンを半押しして「ピピッ」っと合わせる、おなじみの方式ですね。最近のカメラやレンズは優秀なので、ほとんどの撮影シーンにおいて、AFだけで問題なく撮影ができるでしょう。ただ、「ピピッ」と鳴ったらシャッターを切る、という行為を漠然と行なうということは、カメラに撮らされているだけで、自分の写真を撮っているということにはなりません。また、ピントに対する理解も深まりません。
そこでMFレンズの出番です。MFレンズはその名の通り、マニュアルでフォーカスを合わせます。シャッターボタン半押しではなく、レンズにあるピントリングという機構を手でグリグリと回すことにより、ピントを合わせるのです。
面倒なように感じるかも知れませんが、実はAFよりも考える項目は少なく、非常にシンプルです。AFは撮影シーンにより設定を変更しなければ、その力を発揮できません。動く被写体を追い続けるコンティニュアスAF、ピントの固定ができるシングルAF、またはAFの範囲を決めるゾーンAFや中央一点AFなど、意外と複雑です。
(※各AFの名称はメーカーによって異なる)
その点、MFはリングを手で調整し、ファインダーを覗いて確認するだけです。考えることは、圧倒的に少なくなるのです。