■連載/阿部純子のトレンド探検隊
◆光のコントトール技術×色彩光学理論×石川プロの共同開発により誕生したレンズ
SWANSブランドのスポーツアイウェアを製造販売する山本光学は今年で107年目を迎える老舗メーカー。1972年からスキーゴーグルの生産を始め、スイミングゴーグルやゴルフ、フィッシング、ランニング、アウトドアなど用途別のスポーツサングラスと手掛けている。
2008年にプロゴルファーの石川遼選手とサングラスのアドバイザリー契約を締結。「ドライバーショットで青空の中に消えていくボールを眼で追いたい」という石川プロの要望を受けて、色彩や照明を専門に研究している近畿大学の片山一郎准教授と共に、ボールが見えやすい視認性を高めたレンズの開発を進めてきた。石川プロのヒアリングも踏まえて完成したのが「アイスブルー レンズ」で、アイスブルーを原型にさらに進化したものが、今回発表された新製品の「ウルトラレンズ」だ。
「ウルトラレンズは弊社の創業時よりのコア技術である光のコントロールと、片山先生の色彩光学理論、石川プロのゴルファーとしての高い能力が三位一体となった開発から生まれた製品」(山本光学 代表取締役社長 山本直之氏)
「身の回りにある物体は照らす照明によって鮮やかに見えたりくすんで見えたりする。これを一般に演色性と呼んでいるが、光源はそのままでも光源の前にフィルターを通すことによって演色性を改善することができる。演色性を改善できるレンズを搭載したレンズは裸眼時より、物体がより色鮮やかに見える。このアイディアを実現できないかと模索していた時に山本光学の技術者の方と出会い、ウルトラレンズの原型モデルであるアイスブルーレンズの開発につながった」(片山准教授)
ウルトラレンズはサングラスを着けることでパフォーマンスを向上させる。ゴルフ用の場合、青い空や緑の森といったゴルフシーンの中で対象物をくっきりと見せる。
「裸眼とウルトラレンズ着用の両方で比べてみたが、ウルトラレンズは芝目をくっきり、はっきり見せてくれる。1本1本の見え方が全く違うので、芝の向きなどをしっかりと見ることができる」(大江香織プロ)
着用時の視界色も自然で眼になじみやすく、長時間の着用でも眼の負担は少なく1日を通して使用できる。プロゴルファーや一般ゴルファー、またボールを追う必要のあるキャディーからも高い評価を得ている。