ヒント1:今年で創業150年を迎える会社が作っている。
つまり明治維新と同い年。これでわかればかなりのファン。
ヒント2:その会社はアメリカ・ルイジアナ州のエイブリー島にある。
ヒント3:赤や緑色をした商品は6種。世界180カ国以上で販売され、その数なんと1億6400万本以上。ちなみに、輸出国の中で一番売れている国は実は日本。
ヒント4:原料は唐辛子と酢と岩塩のみ。日本にこの商品を広めたのは、“燃える闘魂”アントニオ猪木。
そろそろわかってきました?
最後のヒント:辛くもするけれど、素材の美味しさを引き立てるソースである。
とくれば・・・
そう、答えは「タバスコ」です。
「南北戦争後の1868年、私の祖父、エドモンド・マキルヘニーが、淡白な味付けの料理に豊かな風味とパンチを加えたいとペパーソースを開発したのが「タバスコ」のスタートです。当時から樽熟成させたタバスコペパー(エアルーム・ペパーと呼ばれる伝統的な品種)、ルイジアナ集産のビネガー、エイブリー島の岩塩のみを使用するというレシピはほぼ変更がなされていません」
そう語るのは、マキルヘニー家計の5代目の一人で、マキルヘニー社の副代表取締役のハロルド・G・オズボーン3世だ。
「マキルヘニー社もグローバル化することなく、創業以来ファミリー経営を続けています。従業員にも創業以来ずっと我社で働く家計の方が多いですね。またペパーを作る農家も我が社のために作り続けてくれるクラフトマンシップ溢れる職人ばかりです。会社も移転することなくエイブリー島に、ひとつの工場とともにあり続けています。変わらないことで、オリジナルのクオリティを維持しようというパッションが流れ続けるからです」。ちなみにオリジナルから変わったのは、熟成期間が1ヶ月から3年間に、ビネガーをより高品質で蒸留したものへという2点のみなのだとか。普段、ピザやパスタなどに気楽に使っているタバスコですが、実は伝統と強いこだわりによって作られているソースなのです。
ニューオーリンズから西に225km離れたエイブリー島は東京ドーム15個分ほどの小さな島。実は世界中で使われるタバスコはすべてここで作られているというから驚き。