多様な人材を積極活用するという考え方である「ダイバーシティ」が推進されている。こうした中、自分とは異なる感性や価値観を持った相手とコミュニケーションをうまく取れるようになることが求められる。男女脳の違いに詳しい識者に、仕事上の男女別コミュニケーションのコツを聞いてみた。
■男女で「働く上で大切にしたいこと」に開き
ジブラルタ生命が20歳~59歳の就業している男女2,000名を対象に行った2017年9月の調査では、「就業環境に対するホンネ」として、「働く上で大切にしたいこと」の1位は男女ともに「収入(給料)」で約80%を占めていたが、2位と3位に顕著な男女差が出ていた。
男性の2位は「仕事のやりがい」で48.9%だったが、女性の2位は「職場の人間関係」で51.1%となっていたのだ。
一見したところ、男性は“やりがい”、女性は“人間関係”を重視する傾向があるようだ。特に職場の人間関係については、男性は31.9%となっており、女性の51.1%と比べ、大きな開きが出ている。
また、日経BP総研が2017年9月に男女ビジネスパーソン873名を対象に行った“働きがい”について尋ねるアンケート調査でも、「働くモチベーションアップにつながるもの」に男女差が表れていた。男性のうち、特に女性よりも回答の割合が高かったのは「自分のやりたい仕事ができる」で38.7%。一方、女性がより重視するのは「プライベートも充実させながら働ける」(32.0%)と「信頼、尊敬できる人と一緒に仕事ができる」(31.0%)であった。
この結果を見る限り、男性は仕事そのもののやりがい、女性は人間関係とプライベートによって働く意欲がわくようだ。