昨年9月に配信開始されたAppleの「iOS 11」。この新モバイルOSと、『iPhone 8』以降の端末が、日本のモバイル決済のガラパゴス化にストップをかける!
◎Apple Payがついに海外で利用可能に
日本のモバイル決済のプラットフォームは2004年からスタートした「おサイフケータイ」だ。非接触ICカード技術の「FeliCa」(フェリカ)が使われており、対応するICチップを内蔵したガラケーやスマホで使える。
Appleのモバイル決済「Apple Pay」がフェリカに対応したのは『iPhone 7』から。
ただし、国内で販売された端末だけが対応するという〝日本独自モデル〟だった。したがって、国内で購入した『iPhone 7』の場合、海外でApple Payは使えず、同様に、海外で購入した『iPhone 7』については国内では使えない仕様となっている。
そうした障壁が『iPhone 8』によって、ようやく解消された(理由は左上解説を参照)。購入した国を問わず、『iPhone 8』以降の端末は世界中でApple Payを利用することができるようになったのである。
新たな機能はまだある。
昨年12月にアップデートされたiOS 11.2以降、「iMessage」を使った個人間送金が可能になった。iMessageのアプリの中に格納されている「Apple Pay Cash」という一種のバーチャルカードを使って、お金のやり取りをする機能。現在はまだ米国でしか利用できず、不具合も多いことから、日本での実装にはもうしばらく時間がかかりそう。ただし将来的には海外への送金ができる可能性がある。
【 Apple Pay 】
クレカをApple Payで使う場合、スマホを端末にかざした状態で指紋認証をする。暗証番号を打ち込むより確実で手間がかからない。
■iPhone8は2種類のICカード技術を搭載
決済端末にスマホをかざして読み取ってもらう非接触ICカード技術は、主に2つ。おサイフケータイに使われているFeliCaと、「Type A/B」と呼ばれるものだ。世界的にはこのType A/Bが標準規格で、Apple Payもこの規格で運用されてきた。『iPhone 8』では、世界中で販売されるモデルをFeliCaにも対応させた。