願いごとを手帖に書くだけ。すると、いつの間にかその願いごとが実現しているという、不思議な「願いごと手帖」。
雲をつかむような話と思われるかもしれないが、本当に願いがかなった人が続出。SNSのコミュニティを通じて、「願いごと手帖」の輪が広がっている。
2007年に『「願いごと手帖」のつくり方』を上梓し、自身も「願いごと手帖」で多くの願いをかなえてきたのが、コラムニストのももせいづみさん。2017年10月には、過去10年間のうちに得た知見を盛り込んだ『新版「願いごと手帖」のつくり方』(主婦の友社)を出している。
果たして「願いごと手帖」とは、どのようなものなのだろうか? ももせさんに、基本的なことがらをうかがった。
Q:ももせさんご自身やお知り合いの方で「願いごと手帖」のおかげで、かなった願いにはどんなものがありますか?
ももせさん:生まれてはじめて書いた願い事の中に、「居間の椅子のいいものがひょっこりみつかる」「おいしいお米がみつかる、しかも安い」というのがありました。それを書いた3日後に、わが家にあったものと同じデザインの椅子が、転居の挨拶に来た隣人の粗大ゴミの中にあるのを発見。その2日後に仕事仲間から試食用のおいしいお米が届いて、これはただごとではないぞ、と思ったんです。
願い事手帖での願いの叶い方は、夢を追い続けて努力して「よし! 叶った!」という感じよりは、あれ? もしかしてこれって叶ってるってことなんじゃないの? と、じわーっと実感が湧いて来る感じが多いです。
私がかなり前に書いた願いに「フランス人とフランス語でジョークを言い合って笑う」というのがあったんですが、何年もたって忘れた頃に「あれ、私笑ってる」ってフランス人と食事しながら気がついた。そんなこと忘れてのんびり勉強していたんですけど、これは昔書いていたあの願いだ、と思ってにんまり。「やったー!」の幸福感もいいけど、この「にんまり」、「じわじわ」という幸福感は長続きするんです。
目標を立てるということとの大きな違いは、願いごと手帖には「時間軸」が関係していないってことだとも思います。すぐ叶うのもあれば、ずっとあとになって「あれ?」というのもある。周囲の友人でも、転職先がすんなり決まったというような大きな願いにはじまり、探していた服や靴がみつかるとか、おもしろい本に出会うとか、書いておけばさまざまなことが叶ったという話をたくさん聞きますね。
Q:知らない人が「願いごと手帖」ときくと、そういう商品が売っているのかと思うかもしれません。実際は市販の手帖なら、何を使ってもよいのですね?
ももせさん:普通の手帳とは違って、願い事手帖は長く、場合によっては何年も使うこともあります。
日付入のスケジュール帳は毎年変えてしまうので、それとは別に、長く使える気に入ったものを1冊用意します。開くたびわくわくしたり、元気になるようなお気に入りのものを選ぶということから、願い事手帖は始まると思ってください。
最近は手帖ではなくスマホのメモや、ロックをかけたLINEやtwitterを使っているという人もいます。移動中でも気軽にメモできて便利ですが、過去のものは長くブラウズしないと見れないという欠点も。
普段はメモ用に使って、手帖に書き写すという人もいます。
自分が使いやすい形で、大事に長く使え、手に取るたびにうれしくなるという気持ちで選んで欲しいなと思います。
ちなみに愛用者には、シールやマスキングテープを使っている人も多く、お気に入りのしおりを使ったり、開くとアロマの匂いがするなどの工夫をしている人も。旅先で集めたポストカードをファイルに入れて、オリジナルのカード式願い事手帖を作っているという人もいます。
いろいろ工夫して、わくわくする手帖を作るとよいでしょう。