
国際ブランドの搭載で利便性が向上し、一気にブレークしたデビットカード。発行する銀行が増え、個性的なサービスが続々と登場している。
《デビットカード選者》
家計を預かる主婦目線で選ぶ荻野さんと、J-Debitスタート時から使っている松岡さんのFPコンビ。
ファイナンシャルプランナー
荻野奈緒美さん
WOWOW契約アナウンサー、NHK・BS1情報番組キャスターなどを経て、CSで経済番組を担当したことをきっかけにFPに。雑誌、セミナーなどでも活躍中。
ファイナンシャルプランナー
松岡賢治さん
証券会社のリサーチ部門を経て1997年から活動を開始。情報サイトAll Aboutガイド。最新刊に『ロボアドバイザー投資1年目の教科書』(SBクリエイティブ)がある。
◎ブームはメガバンクのブランドデビット導入から
買い物やサービスの購入代金が、銀行の預金口座から引き落とされるのがデビットカード。口座残高を超える支払いはできないため、家計管理がしやすいメリットがあるが、当初は普及しなかった。
「2000年にスタートした国内初のJ-Debitは、多くの銀行が参加し、かなり大々的なキャンペーンをしたものの、利用可能店舗が限られていたため、広がりませんでした。認知度が高まったのは、2013年11月にVisa加盟店で使えるデビットに、三菱東京UFJ銀行が参加して以降です」(松岡さん)
その後、JCBが同じく加盟店で使えるタイプのカード発行を開始し、ユーザー数の拡大が加速。国際ブランドであるVisaとJCBを搭載した、この「ブランドデビット」の登場によって、普及が進んだのである。
「地方銀行やネット銀行でも発行するところが増えたため、ポイント還元率がアップするなど、家計管理以外のメリットも多くなりました。もはやカードの選択肢として、最初に考えるべき存在になったといえるでしょう」(荻野さん)
ラインアップの増加が、さらに利用件数を押し上げるという好循環に入ったデビットカード。しかし、そのため何を選んだらよいのかが分かりにくくもなっているのも事実。どういった人に向いているカードなのか、しっかり見極めてほしい。