3.謝罪
「状況説明をしてもらったことに感謝をし、原因が明確になれば真摯に謝罪、一旦持ち帰る必要がある場合はその旨を伝えます。言いにくいご意見を伺えたことに対する感謝の気持ちと共に、今後に役立てたい旨も伝えます。担当者以外の上司が重ねて謝罪に行くと顧客心理を優位に持っていける可能性が高いです」
【効果】
客に「仕方がないな」と思わせたらクレーム対応は成功。客は「クレームはしたものの反対にうるさいと思われていないか」という気持ちが少なからずあると思われるため、ご意見を伝えてくれたことへの感謝の気持ちを伝えることは有効。
4.代替案の提案
「複数の代替案を提示します。この際、『代替案では十分だとは思っていませんが、ご理解ください』という気持ちを伝えることがポイントです。ステップ4とステップ5を行う担当者を代えるとさらにお客様は受け入れやすいです」
【効果】
客は損をした気持ちを持っているため、代替案を提示しても納得はしないが「仕方がない」と感じ始める。
5.感謝・お礼
「ご不満を抱かせてしまったのにもかかわらず、ご理解をいただけたこと、ご指摘をいただき気づきができたことにお礼の気持ちを伝えます」
【効果】
客は、完全に納得はできなくても徐々に怒りも治まっている。また、客自身の立場の悪さやどう思われているかの不安は払しょくされる。
5ステップの中には、細かな配慮が多数あった。一つ一つを丁寧に行うことで、クレームそのものが良い結果になるであろう。
取材協力
児玉輝江氏
客室乗務員として28年間、日本航空株式会社に在籍、客室管理職を経て退職。
米国CCE,Inc認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー、マナー講師やイメージコンサルタント資格を取得し、現在は研修講師、講演、有名大学や大手人材会社の就職、転職のカウンセリングを行う。
株式会社パーフェクト・スピーチ
http://www.perfectspeech.jp
取材・文/石原亜香利