■資料を的確に素早く作る3つのステップ
どのような資料であっても、要件を満たしたものを素早く作りたいものである。そのためにはどうすればいいか。奥秋氏は次の3ステップを教える。ぜひ実践してみよう。
1.要件を明確にする
「依頼を受けるときには、作成前に『資料作成の要件』を確認します。主な要件は以下です。
・資料の目的…資料を通じて、実現したいことは何か
・ゴール…資料を見た人に取ってほしい行動は何か
・ターゲット…資料を読む人は誰か
上記以外にも『期日』『数値』など、必要に応じた要素を事前に確認しておきましょう」
2.作る内容を紙に書く
「PCを立ち上げる前に、まずは紙とペンを用意し、最初に『全体構成・シナリオ』を書きます。『後はPCで清書すれば終わり』というところまで紙に書いておくと、迷いながら資料を作ることがなくなるため、時間短縮につながります。
例えば10枚の提案書をPCで作成する場合、紙を10枚用意し、1ページ目は表紙、2ページ目は提案の目的・ゴール、といった形で、詳細ではなく全体の骨子を作成します。全体構成ができたら、1ページずつ内容を書いていきます。必要な要素を洗い出し、どのような文章を添えるか、グラフや図表・イラストなどビジュアルに落とし込めないか、などを整理します」
3.PCテクニックを駆使して作成する
「紙で全体構成とシナリオを作ったら、後はその通りにPCで作成していくだけです。その際、PCテクニックを駆使すれば時短になります。頻出する操作は、ショートカットキーを覚えると効率的です。コピー『Ctrl+C』、貼り付け『Ctrl+V』以外にも、複製『Ctrl+D』、文字サイズ拡大『Ctrl+Shift+>』、段落上げ『Alt+Shift+↑』など便利なショートカットキーがありますので、覚えておくとよいでしょう」
取材協力
奥秋和歌子氏
プレゼンステーション代表 プレゼン資料コンサルタント
主に企業経営者や事業責任者に向けた思考整理、プレゼンシナリオ構築支援や「働き方改革」に向けた「誰でも使える」資料作成業務効率化のコンサルティング・セミナーなどを行う。著書に「一番シンプルな資料作成術」(永岡書店)、「OKがもらえる資料作成のツボとコツがゼッタイにわかる本」(秀和システム)(2018年2月15日発売予定)など。
取材・文/石原亜香利