100円ショップ情報のポータルサイトとして知られる『みんなの100円ショップ』(略して『みん100』)。ここでは、100円ショップで扱われている商品の情報だけでなく、一般の人が商品のアイデアを出し、それをメーカーが商品化する場も提供されている。それが、サイト内の「あったらいいな」コーナー。100円ショップにあったら、ぜひ欲しいと思う商品のアイデアをここに投稿し、他の人たちからの賛同が一定数集まれば、商品化へと一歩踏み出す。賛同は、「ほしい」ボタンをクリックするだけ。40人の「ほしい」が集まれば、次はそれを商品化してくれる企業を募るプロセスへと進み、これが首尾よくいけば最終的には100円ショップに陳列される。
こうして生まれた商品の成功事例として、2014年に発売された『新聞柄の割箸』がある。こちらは、月平均2万個を売り上げる大ヒット商品にしてロングセラーとなっているが、もとはサイトに寄せられた数行のアイデアから発展したもの。
大ヒットとなった『新聞柄の割箸』(左上『みん100』のロゴに注目)
2017年12月の時点で、40の「ほしい」を獲得したアイデアは50点もあるそうで、100円ショップファン発のヒット作はこれから続々と生まれそうだ。
今回の記事では、『みんなの100円ショップ』から誕生した比較的最近の商品を5つ紹介したい。
■『袋型のメガネ拭き』
アイデアを提供したのはHN「カレーパンまん」さん。「めがね拭きの素材で、形状が袋型になっていたら、めがねを入れて持ち運びもできて便利」というアイデアが具現化。100円ショップバイヤーからの2万4000個という最小ロットがハードルになったり、縫製工場が変わったりと、進捗は難航したものの、最終的には『眼鏡 ケース ファブリック MC-25』の商品名で店頭に並んだ。さいわい売れ行きは好評で、既に完売している。
■『タティングシャトル 3P』
レース編みの必需品であるタティングシャトル。とてもシンプルな構造なのに、既存の商品はそれなりの値段であることから、HNこねこねこねこさんが「レース針編みとは違い、糸を巻いたシャトル1つあれば、いつでもどこでも気軽に楽しめ途中で止めてもほどけない」ものをと提案。多くの「ほしい」が押されて、商品化へ動き出した。
商品化の際に、発売元企業の要望により、どんな色がよいか『みん100』ユーザーへアンケートを実施。その結果を元に、クリアカラー3色が決まった。さらに、パッケージにワンポイントとして印刷されているタティングレースの作品は、『みん100』ユーザーの柳緑さんの作品。100円ショップファンのコラボ商品の好例と言えそうだ。
2017年11月に3個入り100円で商品化されたが、前評判が高くて初回生産分の1万個は初動5日ですべて出荷完了。2018年2月の再販に向け、追加量産するほどヒットしている。