■ゼロから描き下ろしたイラストを約30点使ったノート
薄い罫線や方眼が入っただけのベーシックなノート。文具の中ではシンプルすぎて、これ以上改良しようがないと思うかもしれないが、メーカー側は地道に地味なイノベーションを続けている。最近の例では、伊藤園の『お~いお茶』の製造時に出る茶殻をリサイクルした紙を使い消臭効果を発揮する、『茶殻配合紙ノート』(アピカ)がその1つ。
ノートの進化のもう1つのトレンドとして挙げられるのは、ファンシー化。アニメキャラやイラストをあしらったノートは昔からあるが、大人のユーザーを意識したシックな絵入りの商品が増えて、文具ファンの心をくすぐっている。今回紹介する『NOUTO』もその1つに挙げられそうだが、ちょっと違う。
『NOUTO』は、スヌーピーといった既にある素材でなく、このためだけにゼロから描き下ろしたイラストを約30点も使用している。なおすごいのは、いまメディアでひっぱりだこのMozuさんが作画を担当していることだ。
■本物にしか見えない!? スゴテクのトリックアート
Mozuさんは、弱冠19歳のミニチュアジオラマ制作者。想像を超える細かい作り込みと完成度の高さから「天才」と称され、10月には初の作品集『MOZU 超絶精密ジオラマワーク』(玄光社)を刊行している。
実はMozuさんには、トリックアート作家としての隠れた才能もある。こちらは、中学生のときから腕前を発揮し、同級生や先生を驚かせていたという。その才能に注目したのが、文具ノベルティグッズの企画・販売など行うノウト代表取締役の高木芳紀さん。数年前にはMozuさんの作品を採り入れたノートを開発すべくやり取りしていたが、双方が忙しくなって、いったんはお蔵入り。そしてこのたび、『NOUTO』という商品名で復活する。