”ワイヤレス”がブームとなり有線イヤホンの時代は終わったのか? ……というと、実はそうでもない。本格的な高音質でコスパ重視で選ぶなら今でも有線タイプ一択だ。秋葉原で開催される”ポタフェス”を始めとしたイベントに集結するのは、予算5000円程度から十分に良い音を探せるアジア系の新興ブランドから数万円クラスまでズラリと並ぶ活況。10万円以上クラスのイヤホンも日本国内では市場が存在するほど。
秋葉原で12月に開催されたポータブルオーディオのイベント”ポタフェス”
この冬に聴くべき有線イヤホンは? と2017年下半期発売のモデルから選んだところ、OEMメーカーの多い中国ブランドのTFZ社、フランスの歴史あるオーディオブランドであるFOCAL社、日本の産業用電線メーカーを母体に持つZERO-AUDIO、そして日本のオーディオブランドのJVCなどなど、出自が全く異なるブランドの製品が並んだ。この多様性こそが、有線イヤホンの活況の証でもある。
今回ピックアップした5機種は、いずれも僕が実際にサウンドを聴いて同価格帯で選ぶ価値があると判断したモデル。そんな選りすぐりの5機種を紹介しよう。
5000円クラス
■ハイコスパイヤホンの定番、ZERO-AUDIO「ZH-DX240-CI」の圧倒的なハイレゾサウンド
メーカー:ZERO-AUDIO
製品名:CARBO i ZH-DX240-CI
実売価格:6000円
ハイコスパのイヤホンとして必ずといっていいほど名前が上がる”ZERO-AUDIO”(ゼロ・オーディオ)のランドから登場する新シリーズが、新開発の超小型ドライバーで70kHzまでの帯域をカバーする「ZH-DX240-CI」だ。実売6000円台の価格帯ながら、極めてシャープに音のクリアネスを高めたサウンドと、包み込むような空間スケールの広さで、男性・女性ボーカルの歌声もナチュラルに引き立てる。弾けるようなリズムを刻む低音再生も音楽性豊か。ハイコスパな低価格イヤホンで圧倒的なハイレゾ対応と豊かな音楽性という”ZERO-AUDIO”の新境地だ。
新コンセプト「i shape」デザインの重さわずか2.4gの超細径・軽量ボディも特徴
5000円クラス
■中国メーカーイヤホンの新定番TFZの「EXCLUSIVE 1」
メーカー:TFZ
製品名:EXCLUSIVE 1
実売価格:6010円
2017年下半期のコスパ注目ブランドと呼びたいのが2015年に中国・深センに設立されたブランド「TFZ」が発売したEXCLUSIVEシリーズだ。EXCLUSIVE 1/3/5/KINGとシリーズで4機種を展開する「TFZ」の特徴は、ダブルマグネティックサーキットとグラフェンドライバという音響技術と素材技術を組み合わせた、ダイナミックさと繊細な音を兼ね備えたサウンドを備えていること。実売5000円クラスのコスパ勝負の価格帯では入門モデルの「EXCLUSIVE 1」を聴けば、その圧倒的な音質ポテンシャルが判る筈だ。