「電動アシスト自転車=ママチャリ」というのはすでに昔の話。今では海外ブランドのものを中心に、独自のデザインが施された電動アシスト自転車(以下e-bike)が数多くリリースされている。その〝独自デザイン〟に必要なのが、やはりバッテリーのコンパクトさ。そこがクリアできなければ、他社とは違うデザインは実現できない。
大きくラウンドした形状のシートステイが特徴。シートステイの下にはサドルバッグのようなデザインのバッテリーが収まる。
ここで紹介する『TSINOVA(チノーバ) TS01』は、中国のハイテク企業が作ったe-bike。ご覧のとおりデザイン性はかなり高い。その要因のひとつが「TSINOVA」がパナソニックと共同開発したリチウムイオンバッテリーだといえる。テスラなどの電気自動車にも使用される同タイプのバッテリーで、コンパクトさだけではなくパワーも十分。1回の充電で最大70kmの走行が可能だ。またバッテリーで生み出したパワーを最大限推進力などに変換するのが、これまた「TSINOVA」が独自に開発した電動補助システムの「Veld Up」。これはボトムブラケット付近のセンサー、ホイールのハブモーター、ハンドル上のコントローラー、そしてバッテリーで構成される。
一般的なe-bikeでも走行ルートの起伏に合わせて、手元やハンドル上のコントローラーでアシスト力を設定できるが、走行ルートの状況にアシストのパワーが合わず、自然に走ることができないことがある。しかし、「TSINOVA」に搭載されたVeld Upシステムは、センサーがペダルに加えたトルクや回転数、スピードを感知して革新的なバイオニック制御アルゴリズムを採用。e-bikeにありがちな不自然な走りを抑えてくれる。これにより上りや逆風の時はパワフルに、トルクがかかっていない平地ではパワーを抑えるので、バッテリーの減りも抑えることができるという。
またBluetoothを介してスマホアプリと連動させることで、さまざまな機能が使えるところも大きな特徴のひとつ。接続は簡単。アプリをダウンロードした後にバッテリーケースについているQRコードを読み込むだけ。現状はナビ機能や走行時の情報などがスマホで確認できるが、今後アップデートによりさまざまな機能が追加される予定だという。
中央の「TSINOVA」のロゴが入っているのがバッテリー。このサイズで5.8Ah。