■肥満率が最も高いのは40代男性と50代女性
年代別のBMIを基準とした肥満度を確認したところ「やや肥満」と「肥満」の割合を合算した肥満率が最も高い年代は、男性は40代(57.2%)[6tn1]、女性は50代(42.8%)だった。男性は、50代の54.4%、30代の52.4%と続き、女性は、30代の41.4%、40代の40.3%と続く。
■年齢を重ねるにつれて痩せにくい体質になっていることが判明
年代別の体脂肪率を比較すると、年齢が上がるにつれて数値が上昇する傾向があることがわかった。このことから、年齢を重ねるにつれて体内の筋肉量が減少し、体重に占める体脂肪の割合が増えていくことがわかる。
50代までは年齢が上がるほど、1日の平均歩数は増加していくにも関わらず、肥満率や体脂肪率も上昇することがわかった。このことから年齢を重ねるにつれて、筋肉量が減り、代謝が落ち、痩せにくい体質になっていると言える。これは、前回発表を行なった「年齢が上がるほど体重変動が小さくなる」という分析とも一致し、年齢があがるにつれて体質そのものが変わっていくことが見て取れる。この結果から、40~50代にかけて“中年太り”の注意が必要だとよく聞くが、年齢を重ねるにつれて痩せにくいことが原因だったということがわかった。
■小島先生の分析コメント&アドバイス
年齢が上がるにつれ体脂肪率が上昇するということは、加齢に伴い筋肉量が減少し、基礎代謝が低下していることを表しています。筋肉量が減り、基礎代謝が落ちると、同じ歩数を歩いても実際に消費するカロリーは減少するため、ウォーキングによる減量効果は年々小さくなってきます。筋肉量が多い20代、30代はウォーキングなどの有酸素運動のみでも脂肪燃焼効果が高まりますが、40代以降になったら筋肉量を増やすようなトレーニングを加える、生活のリズムを整える、たんぱく質をきちんととって食事のバランスを整えるなど、基礎代謝を下げない工夫をしつつ、有酸素運動を行なう方が脂肪燃焼効果は高まります。