大半の人にとって、夜仕事から帰ってきてから、寝るまでの間にすることで大きなウェイトを占めるのが、食事と入浴。
まず(家族の団欒やテレビ視聴を兼ねた)晩御飯があって、それから入浴というパターンが多い。
中根院長は、特に疲れ気味でなければ、それでかまわないとしているが、疲れやすい人、疲れがたまってしまっている人には、順番を逆にして「入浴→食事」にすることで、疲れが抜けやすくなるという。
その理由として、中根院長は、自律神経の働きと陰陽バランスを挙げている。
食事をとると、身体は副交感神経を働かせて、消化・吸収がスムーズに行えるようにする。
他方、入浴時にはリラックスしているように思えて実は、身体は上がった体温を下げるため心拍を速めて、血液の循環を盛んにしている。
このときは、交感神経が優位に働いている。そして、就寝時は「休息モード」になるため、副交感神経が働く。
つまり、一般的な「食事→入浴→就寝」だと、副交感神経→交感神経→副交感神経のサイクルになる。
これは、体の陰陽バランスからみれば、神経の働きの移り変わりがスムーズではなくて不効率。
そこで、「入浴→食事→就寝」とすることで、交感神経→副交感神経→副交感神経のサイクルとなり、「効率のいい回復」ができると中根院長は語る。
ただ、晩御飯がその分遅くなるので、なるべく消化の悪いものは避け、胃に負担をかけずに就寝するよう心がける必要はある。
コストはゼロだし、習慣化しやすいこの「入浴→食事」メソッド。
「最近なんか疲れがとれない」と悩んでいる方は、試してみては。
『鍼灸Meridian烏丸』中根一院長 プロフィール
西洋医の家庭に育つも、未病を追求すべく明治鍼灸大学へ。卒業後『鍼灸メリディアン烏丸』を開院。ロート製薬Smart Campケア鍼灸監修や、明治国際医療大学・京都桂川鍼灸院Mythos 361のアドバイザーなども務める。Google Japan前名誉会長の村上憲郎氏、「孫正義氏の右腕」と名高い三輪茂基氏などエグゼクティブや各界著名人の「お抱え鍼灸師」としても知られる。9月刊行の著書『寝てもとれない疲れをとる本』は、Amazonの「自然治癒力・免疫力」カテゴリーの売れ筋ランキングで、長く1位を独占。
公式サイト:http://hajime-nakane.com
文/鈴木拓也
老舗翻訳会社の役員をスピンオフして、フリーライター兼ボードゲーム制作者に。英語圏のトレンドやプロダクトを紹介するのが得意。
構成/メンズビューティー編集部