まだ歴史が浅い「室内飼い」で猫を幸せにするために
集団で生活する性質がある犬とは違って、野生でひとり生きてきた猫たちには、そのポーカーフェイスも生きる術の一つだったといいます。全身で気持ちを表現する犬とは真逆の猫たち。それゆえに、さまざまな都市伝説も生まれてきました。
『猫的感覚――動物行動学が教えるネコの心理』は、そんな人間と猫が関係を構築していくまでの歴史から、最新の動物行動学で解き明かされてきた猫たちの心理も知ることができる一冊。まだ歴史としても浅い猫の「室内飼い」についての見解も興味深いところです。ジョン・ブラッドショー博士による室内飼いの猫たちを幸せにするための心得を、ここでいくつかご紹介しましょう。
●歩き回れるスペースをできるだけ与える。
●他の猫から見られる窓際を避け、目立たない場所にトイレを置く。
●室内に2種類のベッドを用意する。1つは床に置き、屋根と三方に壁があるもの。もう1つは天井に近くて簡単に登れ、家の入口か窓の外が良く見える場所に。
●日に何度か猫と遊ぶ。羽がついたりして獲物に似たおもちゃを頻繁に変えるのは効果的。
●多頭飼いをするなら、兄弟猫を2匹飼うことを検討する。
我が家では冷蔵庫の上に簡易ケージを設置。いざというときは避難用にする予定です。
いかがでしたか? 知れば知るほど奥が深い、猫たちの世界。『猫的感覚――動物行動学が教えるネコの心理』にはその他、猫の五感から見た世界と人間が感じている世界との違いなど、興味深い内容が盛りだくさんです。ぜひ一度、彼らの深遠な世界をのぞいてみてください。
次回は、ジョン・ブラッドショー博士が犬の世界をひもといた『犬はあなたをこう見ている』(河出書房新社)もご紹介します。お見逃しなく!
文・中西未紀
構成/ペットゥモロー編集部