富士通研究所と東京大学による産学連携を基に、半導体レーザの開発を手がけるQD レーザは、レーザ網膜走査技術「VISIRIUMテクノロジー」の第1弾製品である「RETISSA Display」を商品化。7月より国内販売を開始すると発表した。
QD レーザでは、創業以来培ってきたレーザ及び光学技術を応用して、三原色レーザ光源からの微弱な光と高速振動する微小な鏡(MEMS ミラー)を組み合わせ、網膜上に映像を描き出すレーザ網膜走査技術「VISIRIUMテクノロジー」を開発してきた。これは原理的に視力(ピント調節能力)に依存しないため、 誰にとっても見やすいディスプレイとなる。
今回発売が決定した網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA Display」は、そんな「VISIRIUMテクノロジ」を採用。眼鏡型のフレームに内蔵された超小型プロジェクタから、網膜に直接映像を投影するヘッドマウントディスプレイだ。片眼の視野中心部(水平視野角約26度、アスペクト比 16:9)に、HDMI端子で接続できる機器からのデジタル映像を投影することができるという。
超小型プロジェクタからの微弱なレーザ光は瞳孔の中心でいったん収束し、網膜へと投影される。 この方式は、眼のレンズである水晶体の状態に影響を受けにくいことから、視力やピント位置に関係なく、眼鏡やコンタクトレンズをしていなくてもボケのない映像を見ることができる。
さらに独自開発した投影光学系を採用することで、プロジェクタを極限まで小型化し、フレームの内側に搭載することが可能になった。通常の眼鏡やサングラスと同様に、突出部がなく違和感の小さいデザインとすることで、誰もがいつでもどこでも使えることを目指したものだ。