■カルニチンと鉄分が目立って多い
機能性アミノ酸のひとつであるカルニチンは、人の体内の脂肪燃焼に深く関わり、欠乏すると脂肪をためこみやすい体質になってしまう。そのため大手のサプリメーカー数社から、ダイエットの補助としてカルニチンサプリが発売されており、今、注目の栄養素でもある。
そのカルニチンの含有量が、鹿肉では目立って多いのが特徴。豚肉や鶏肉では、これがほとんど含まれておらず、牛肉にはそれなりに含まれているが、鹿肉には牛肉の2倍近く含まれている。
また、鉄分も豚肉や鶏肉の約5~10倍含まれており、ウェイトコントロールで鉄分の不足しがちな一部のアスリートに、鹿肉は好まれている。
■鹿肉の入手方法
政府は、鹿肉を含むジビエの消費量を倍増させる方針を先日明らかにした。しかし、これを達成するのは2019年と、少し先の話。鹿肉が大手スーパーなどで目にするまでの間、頼りになるのは一部の精肉店となる。
こうした精肉店の多くはネット通販に力を入れており、都市部に住んでいても入手しやすくなっている。鮮度・品質に不安があれば、野生鳥獣肉の認証制度が既に確立されている、北海道、長野県、三重県の認定業者から選ぶとよいだろう。
基本的には、通販の鹿肉は冷凍品が主となっている。業者のウェブサイトの写真を見て、パックの中に染み出た肉汁が目立つ、冷凍焼けで白く変色している、あるいは霜の付着が多ければ、品質に問題があるので買わないほうがよい。
■鹿肉の食べ方
他の畜肉と同じように調理できるが、筋膜を取り除くなど、肉を硬くしないためのコツが若干ある。レシピは、『鹿肉を楽しむ』でもいくつか紹介されているほか、クックパッドでも数百種類の多種多様なレシピがある。また、本書の著者が運営する鹿肉専門通販の『aideer』では、鹿肉入りキーマカレーのレトルト食品が販売されており、鹿肉初心者はまずはこれから試してみるのもおすすめだ。
『aideer』の鹿肉入りキーマカレー
文/鈴木拓也
老舗翻訳会社の役員をスピンオフして、フリーライター兼ボードゲーム制作者に。英語圏のトレンドやプロダクトを紹介するのが得意。
構成/メンズビューティー編集部
※記事内のデータ等については取材時のものです。