中西青年は、『DFree』のアイデアが閃いて会社を興し、開発や資金集めの試行錯誤を乗り越えてゆくうちに、高齢者介護の現場にこのデバイスの大きな潜在需要があることを発見した。現状、多くの介護施設では排泄介助に多大な時間を取られているが、『DFree』によってケアワーカーが入所者の排泄タイミングを事前に知ることがでれば、彼らの負担をかなり減らすことができることに加え、入所者のQOLも向上する。これがベンチャーキャピタルの世界を刺激して、ニッセイ・キャピタルなどからの資金支援や、鴻海精密工業グループ等との戦略的提携を目指した出資を受けるなど、大きな事業として開花しようとしている。その詳細は、中西社長の著書『10分後にうんこが出ます:排泄予知デバイス開発物語』(新潮社)に譲るとして、『DFree』には、トイレ介助が必要な老人ホーム入所者のみならず、『@DIME』読者世代でも、トイレが近い人や、過敏性腸症候群に悩む人、郊外の公衆トイレの少ない地域でルートセールスをする人などのニーズを掘り起こす力がある。
中西社長率いるトリプル・ダブリュー・ジャパンは、当面は介護現場の負担軽減を目的とした製品の改良・販売に注力するが、将来的には子供も含む一般向け製品も販売する予定だという。その時には、スマホのGPS機能で近くの公衆トイレの位置を探知、最短経路や個室の空き情報も教えてくれるアプリも提供できればと語る。いずれにしても、「DFreeが将来的にどんな可能性を秘めているかという未来像」は、どんどん広がっているそうで、この装置が家電ショップで購入できる頃には、誰も想像しえなかった機能も備わっているかもしれない。
文/鈴木拓也
老舗翻訳会社の役員をスピンオフして、フリーライター兼ボードゲーム制作者に。英語圏のトレンドやプロダクトを紹介するのが得意。
※記事内のデータ等については取材時のものです。
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