このハサミを購入した時に自分のWEBサイトで「悪ふざけみたいなハサミを買ったよ」と紹介したのだが、その記事を映画配給会社の方が見つけたとかで、「巨大ハサミをイベントに貸してくれないか」と連絡をいただいたのだ。
話を聞くと、映画のプレミア試写会を行うにあたって、テープカットに巨大なハサミを使ったらウケるんじゃないか、と考えたらしい。
「あー、面白いですね、いいですよ」と気軽に貸し出ししたら、筆者の巨大ハサミでテープカットをしたのがハリウッドの大物俳優デンゼル・ワシントンだった…という話はさておき、その時、このハサミの用途についてピンと来たのだ。
普通に切るのは難しいけど、サイズ的に目立って、イベント向き。これ、もしかして本当にテープカット専用のハサミとして作られたんじゃないだろうか。
切れ味がいいのも、式典でカットミスが無いように考えられているのかもしれない。
ということであれこれ検索していたら、まさにバッチリ、「ceremony Scissors(=式典用ハサミ)」というワードで出るわ出るわ、我が家の巨大ハサミとそっくりなものがぞろぞろ見つかったのだ。
映画配給会社の方はご存知無かったようだが、まさに知らずのうちに正解に辿り着いていたのである。
「ceremony Scissors」の画像検索結果。同じハサミがいくつか見受けられる。
その後、デンゼル・ワシントンが巨大ハサミでテープカットしている写真(スポーツ新聞などに掲載された)を見たという別の方からも、ハデなテープカットをやりたいから貸してくれという依頼をいただいた。やはり式典にマッチした専用道具だったのかと納得した次第だ。
ところで、このテープカット用ハサミというのは果たしてどれぐらい需要があるんだろうか。
式典用品のレンタル屋さんや式典コーディネーターさんに何軒かに「1ヶ月辺りどれぐらいテープカットって行われてますか」と電話で聞いてみたのだが、残念ながらちゃんとした数字は分からなかった。
なんとなくフワッと聞き合わせたところでは、都内で月に20から50件ぐらい(春秋は式典シーズンなので増えて、夏冬は減るとのこと)で、地方だと1県に3~5件/月という感じのようだ。もちろん正確な数字ではないが、でも、なんとなく予想していたより少ない気はする。
とあるレンタル屋さんによれば「テープカット、ここしばらく減ってます。華やかなオープニングセレモニーみたいなのがだいぶ無くなってるかも」とのこと。
テープカット専用のハサミはやはりかなり需要の狭い文房具のようだ。
じゃあ、方向性を変えて、このハサミが普通の日常作業用に使えるとしたら、どうだろう。もうちょっと需要が増えるんじゃないか。
えー、筆者(身長1.75m)が一般的なハサミ(18cm)を使うのと比率をあわせて計算すると、この巨大ハサミはだいたい身長6.3mの人がホットペッパーのクーポン切ったりポテチの袋を切って開けたりするのに使いやすいということになる。
需要、ないかも。
文/きだてたく
※記事内のデータ等については取材時のものです。