これらとまったく使い方が異なるのが、クリニークの「クーリング アイ ジェル」(本体4000円)だ。細長いガラス容器の先に回転する金属球が取り付けられたロールオン仕様で、目の下に当ててそのままくるりと目の周りをなぞる。僕は2~3周りするが、金属球のヒヤリとする感触がシャワー上がりの肌に心地いい。ひと周りで肌に塗られる量は一定なので使いすぎるリスクがなく、他の製品に比べて長持ちするのも利点だ(厳密に計ったことはなく、感覚的な印象だが)。
別タイプのロールオンとして、ビオテルムの「ビオテルム オム トータル リチャージ アイ」がある。ランコム同様に正規輸入はなく、コスメサイトにて税込み2460円で購入した。そのユニークな点は、トリプル・ロールオンだ。容器の先に小さな金属球が3つついていて、容器を押すと金属球の周りにクリームが滲みでてくる。このくらいかなというところで、目の下に当ててクリニークのようになぞる。大球一つと小球三つの目の周りへのつけ心地対決、小球三つにはヒンヤリ感はないものの、どちらがいいかは好みだろう。ただしビオテルムには押し過ぎ→出し過ぎのリスクがある。アラミスやランコムは出し過ぎても容器の吸い込む力で戻せることがあるが、ビオテルムは構造上そう簡単にはいかない。また画像くらいに中身が減ってくると、ちょうどいいと思う分量だけ出すのに少々の集中力がいる。4アイテムとも容量は15mlと同じだが、クリニークはビオテルムの約2倍の価格、ロールオン・タイプ購入にはその点も考慮すべきだろう。
コスメの効果を短期間で実証するのはとても難しい。しかし僕は約20年にわたり、アイクリームを毎日使ってきた。たぶんこんな男は、日本で僕だけか(メーカーの研究者にはいるかもしれない)。そしてその効果は明らかだ。生き証人ならぬ、生き見本なり。約20年中15年弱はアラミスなので、僕にはアラミスが間違いなく効いている。アラミスではなくても、アイクリームというアイテムは効果あり、と確信している。いまさら僕と同世代にアイクリームを勧める気はないが、「@DIME」をご覧のまだまだ若い男性たちには、将来の自分の目の周りへの投資として今からの使用、そして末永い使用を勧めたい。
文/斎藤好一
元DIME編集長 17年10月に小学館を定年退職。釣り、ロック、オーディオ、ワイン、車、旅行、ファッション、コスメ、まるで『DIME』のごとく多彩に興味津々。