さてかくなる僕がコスメに目覚めたのは約20年前で、休刊になった月刊『レコパル』から、『DIME』に異動となった時期だ。当時の『DIME』はなんでもありの情報誌(今も同じか)ゆえ、携帯電話、パソコン、白物家電、食品、酒、レストラン、クルマ、旅行、ファッションなどなどと担当者を分け、異動したての僕の担当の一つが美容だった。
その異動間もない頃、アラミスから編集部宛に、青山のカナダ大使館で開催する新製品「アイレスキュー」発表会の案内状が届いた。今でこそメンズのアイクリームの存在は(コスメに興味ある男性には)知られているものの、「アイレスキュー」は日本初登場の男性用アイクリームだったと記憶する。プレゼンで惹かれたのは、その使い方だ。容器からクリームを薬指の腹に米粒大ほどとり、女性がパフでパタパタとファンデーションを顔につけるがごとく、薬指で目の下から上にかけてパタパタと円を描くようにパッティングしていく。このアクションがなんとも男らしくなく、かえって興味をそそられた。
ちょうどこの頃、5歳年上の飲み友達の年齢不相応にふくらんだ目袋が気になっていて、「アイレスキュー」が目の周りの老化防止に効果があるなら早速使おうと心したのだ。以後今日までの約20年間、毎日アイクリームを使っている。もちろん、洗顔→ローション→美容液という3ステップ後だ。ただし推奨は1日2回朝夜の使用ながら、僕には夏以外は夜のシャワーや洗顔の習慣がなく、秋冬春は朝のシャワー後に1回だけの使用となる。こんなに長続きするのは、やはりある時点で(たぶん10年以上前だ)、同世代どころかより若い世代よりも目の周りにはりがある、と実感したからだ。
「アイレスキュー」を15年弱使い続け、この6年ほどは他のブランドも使用している。そんな体験をもとに、いくつか製品をご紹介しよう。まずはアラミスの「アイレスキュー」改め、「アイ R+」(本体5800円)だ。商品名は数年前のモデルチェンジを機に、現在の名称に変わったはずだ。その効果は毎日使って15年弱、以後は浮気しつつも年間1本は使用してきた僕の目の周りが証明してくれる。続いてはランコムの「ランコム メン アージュファイト ユー」だ。一世代前のこの製品は正規輸入され、使い方は「アイレスキュー」と同様。透明なクリームがするすると気持ちよく伸び、大変気に入っていた。その後、ランコムのメンズは正規輸入がなくなったようで、17年の1月にモデルチェンジした本製品をコスメサイトで購入した。5000円前後だったと思う。色が透明から乳白色に変わり、見た目がアラミスと似て少々残念に思ったが、快適な使い心地は健在だ。だがどうやらこちらも販売終了のようで、ネット検索しても購入できるサイトが見つからない。