この日は無指定および級、初段から四段までの段位の一般受審者を対象とする「地方審査会」で、筆記試験と実技試験が行われた。初段までは審査結果は午後3時ごろに発表されるが、それ以上の段位の受審者は全員の審査が終わる夜7時ごろまで結果を待たねばならず、早朝からまる1日弓道にどっぷり浸かるスケジュールだ。
実技は、五人の射手がそれぞれ一手、つまり二本の矢を射て、的中はもちろん、歩き方から座り方、動作のタイミング、退場の際の礼まで、細かい作法も審査される。2本とも的中させても、作法を間違えたら合格とはならないし、逆に、つがえた矢を落とすなどの失態があっても、落ち着いて適切な作法で対処すれば正当に評価される。
弐段までは的中よりも正しい射法や作法が重視されるため、比較的スムーズに昇段できる。弓道を始めて週に1~2回程度、定期的に指導を受け稽古していれば、基本的に2年程度で弐段が取れる。
しかし、参段からは少なくとも1本は的中させなくてはならないため、そこで足踏みする人も多い。四段はさらにハードルが高い。道着ではなく和服着用のうえ、男性は肌脱ぎ、女性はたすき捌きの作法が加わり、皆中(2本とも的中)が合格の前提条件となる。参段の場合、1回の審査料は4100円。合格すればさらに7100円の登録料および強化費を納付する。一発で受かれば良いが、5回、6回と不合格が続けば、コストはかさむ一方だ。普段の稽古や試合ではバンバン当たっている人でも、審査となるとなぜか外してしまうほど、明治神宮の射場には、日常にはない独特な緊張感がみなぎっている。
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