■ビーチや公園などお気に入りの景色の中でハンモックを
最初はその華奢な姿に疑心暗鬼、恐る恐る座ってみたのだが決してストラットがたわむことはない。三角形を多用したストラットは、構造だけでなく素材もタフ。航空機にも使われている7075-T6アルミ合金、ケブラーコードを採用しており、作り手のこだわり、職人気質をうかがえる。
構造、素材ともにこだわりぬいたハンモックスタンドは、軽く身体を左右に揺するくらいではペグが緩む様子はなかったので、思い切り身体を預け、一晩寝てみた。
木を利用してハンモックを吊す場合、どうしても木の枝・葉が頭上を覆うのだが、ウルトラライトハンモックスタンドを使えば視界は空のみ。新鮮だ。一面の空を眺めながら眠れるのはコットと同じだが、浮遊感を伴うので寝心地はウォーターベッドに近い。月や星、行き交う飛行機を眺めていると、空を漂っているみたい。音楽や映画などなくても飽きることはない
収納サイズは、全長約72×φ10cm。オートバイの荷台(全幅約40cmに延長)に載せたバッグ(全幅約50cm)よりもさらに左右に10cmほどはみ出してしまった。大きく荷台からはみ出してしまうし、いくら高強度でも転倒時のダメージが考えられるのでバックパックに入れることに。ロッドホルダー的なものを自作してもよさそうだ
容量35Lのバックパックでは15cmほど飛び出すが許容範囲か。容量60L以上のバックパックならすっぽりパック内に収められるので、海外バックパック旅にも持っていける。ビーチでも使えるのでカヤックツーリングでも重宝するだろう
ペグ込みで1.3kg。DDハンモックスのイギリスのWEBサイトには「世界最軽量のハンモックスタンド」と記載されている
雨や強い日差しが心配なら、ハンモックの上にタープをかけてもいい。一晩ハンモックで過ごすなら、荷物は小さなテントやタープの中へ入れて夜露を避ける。天候にあわせて、自由にハンモックを楽しみたい
天気がよかったので一晩ハンモックだけで過ごしてみたが、夜から朝へ徐々に空が明るくなっていく様子はテントよりもドラマチック。背中に熱がこもらないので暑い季節のキャンプやフェスに重宝する。反対に、地面の冷えをダイレクトに感じずにすむので、ブランケットを敷くなど工夫すれば寒い時期も心地よくすごせるだろう。日差しが和らぐこれからの季節は、青空を眺めながらまどろむのも気持ちよさそうだ。
イギリスのDDハンモックスWEBサイトには「The world is your hangout!」とある。お気に入りの景色を見つけたら、どこでもハンモックをセットしてひとときを過ごす……この自由さが、旅好き・道具好きの心をくすぐる。
文/大森弘恵
■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
※記事内のデータ等については取材時のものです。