■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
■どこにでも持っていけるウルトラライトなハンモックスタンド
近頃、キャンプ場でハンモックをチェアやベッド代わりにする人たちが増えている。ほのかにゆらぐ浮遊感は、日常生活では味わえない心地よさでやみつき必至。木漏れ日の中で横たわると、いつの間にかウトウト眠りについてしまうほどだ。
けれど、キャンプサイトにハンモックに適した木や柱が都合よくあるわけではない。そこで、用意したいのがハンモックスタンド。自立式スタンドや木の反対側にセットする二またポール式は、大人の身体を支えるのに十分な強度を持たせており抜群の安心感がある。一方で収納に場所をとるのも事実。しかも、アルミ製で軽量をうたっている自立式スタンドで約5kg、二またタイプのポールでも約3kgとなかなかの重量感。オートバイや徒歩でのキャンプ旅はもちろん、クルマであってもコンパクトカーでは積載に苦労する。
もっと気軽にハンモックを使えないかと考えていたら、”ハンモックスタンドは重くてかさばる”というイメージを覆すイギリス生まれのプロダクトがあると聞き、取り寄せてみることにした。
DDハンモックスのウルトラライトハンモックスタンド(3万7800円)。
【問】DDハンモックス・ジャパン https://www.ddhammocks.jp
ウルトラライトの名が付けられているとおり、重量はペグ込みで1.3kg。バックパックに入れて気軽に持ち運べるのが最大の魅力だが、この細いポールでは心許ないように思える。なのに、耐荷重は100kg。なぜここまで軽いのに十分な強度を確保できているのだろう?
秘密はロープやストラット(支柱、ポール)で作られている複数の三角形。
アウトドアが好きな人であれば「ジオデシック構造」、建築好きなら「筋交い」という言葉を聞いたことがあるだろう。どちらも “最小で最強の構造体である三角形” を利用して強度を確保するというもの。このとき、三角形は面だけでなく線であっても高強度であるのだという。
ウルトラライトハンモックスタンドは、最強の構造体である三角形を利用することで華奢な分割ポールの強度を確保し、耐荷重100kgを実現しているのだ
ペグは長さ約30cm。中空ペグのため見た目に反して非常に軽い。断面が広く、しっかり支えるのに使用後は引き抜きやすいのも利点だ。そしてペグのヘッドは鋳造なので、重いハンマーを使っても問題なし。