ブリーフ、トートに続く、第3の選択肢として急浮上。最大の特徴は手提げ、斜め掛け、そしてリュック風に背負える実用性にある。両手を空けられるメリットから、自転車通勤者やアクティブな営業マンの絶大な支持を獲得。
◎トレンドは両手が自由に使えるリュックタイプ
編集ワタナベ 僕の記憶では、背負えるタイプのビジネスバッグが目立ち始めたのは、2015年以降。それまでは、斜め掛けできる2WAYブリーフが百貨店の売れ筋でした。
スタイリスト嶺井 当時はおまけ程度にショルダーストラップが付属するデザインが主流だったけど、蒸れ防止用にメッシュが装備されたり、最近では背負うことを主体にした縦型のモデルが登場したり。ビジネストートの次の潮流だけど、愛用者は格段に多いし、機能も急速に進化しているね。
編集ワタナベ やはり楽だから?
スタイリスト嶺井 その一言に尽きると思う。見た目より利便性を取った感じかな。
編集ワタナベ 軽さはビジネスバッグの永遠のテーマですから。両手を空けたまま重い荷物が持てる、マルチウェイの流行化は自然の流れです。
スタイリスト嶺井 ただ、ドレスのルールからすると、スーツがエレガントに見えないという理由で、今でも斜め掛けの2WAYをよしとしてない風潮はある。マルチウェイを持つなら、洋服のコーディネートにも配慮すべき。
編集ワタナベ 今年10月にスポーツ庁がアナウンスした「歩きやすい服装での通勤」で、ウールスーツにスニーカーを合わせた着こなしを奨励していましたが、いつものスーツとリュックの組み合わせには違和感があります。
スタイリスト嶺井 オールレザーで大人感を演出しても、背負うのは本来カジュアルな持ち方だからね。これからの季節は、ハイゲージニットにウール風のポリエステルスーツを重ねた、ビジカジスタイルに合わせるぐらいが◎。
編集ワタナベ 合わせ方が大切なんですね。
スタイリスト嶺井 その上で何を選ぶべきか。最近縦型モデルが増えているけど、ブリーフのようにカッチリ持てる横型も堅実な選択肢。トレンドとはいえ、ビジネスシーンにリュックはそぐわないと考える人もいるからね。
「両手が自由になる解放感こそビジネスリュックの真骨頂」
セットアップジャケット2万1000円、セットアップパンツ1万3000円/ともにアバハウス、シャツ1万3000円/ブラックレーベル・クレストブリッジ、時計19万円/シチズン アテッサ
■縦持ち横持ちのどちらもOKの使い勝手
エンゲージメント 3万6000円
縦41×横28×奥行き9cm、重量1.1kg
マルチウェイの先駆けであるこの3WAYは背負い、手提げともに非常に練られた機能性が実感できる。4面ファスナー開きの主荷室は厚手の緩衝材を配しており、ノートPCの持ち運びも安心。背面にはキャリーバー通しも備える。