■ラズパイ3の真価を見せる最高音質のUSB出力!
『RAL-NWT01』は幅120×高さ50×奥行き130mm(実測値)とコンパクトなサイズなのでデスクトップにも従来のシステムにも容易に追加できる。確かに便利でデザインもいいが、ラズパイ3の基板のみなら5600円で買えるのに、7万2000円は高すぎるのではという思いが生じる。マザーボードは違うが、同じラズパイの基板を使っているのだから、音だってそんなに変わるわけがない。だいたいHATの拡張ボードが使えない(フタを外せば使える)というのも残念である。
まあ、とにかく音を聞いてみよう。LAN経由でNASに接続すれば、お馴染みのVolumio2の画面から、設定完了。リファレンスのDACとUSB接続で試聴すると、今までのラズパイ3の音とは段違いだ。まず、情報量が増えて、細かい音が聞こえるようになった。音像定位も向上した。ボーカルのニュアンスが違ってきた。今まではMac miniのSSDに入れたハイレゾ音源の方が高音質だったのだが、『RAL-NWT01』+NASとの比較試聴では、その差はわずかというか、音質の違いにしか感じられないのだ。ほぼ裸のラズパイ3基板に戻すと、やはり音質は劣化する。ACアダプタも同等のものを使っているので、大きな違いはケースに入っているか、いないかである。それで、これだけ音質に差が出るとは予想外だ。あるいはマザーボードに秘密があるのかもしれない。この音を聴くとあれこれ買い足して悩むよりもスッパリ『RAL-NWT01』を導入してラズパイ生活を満喫するのもありかなと思えてくる。
パッシブアッテネータと比較しても『RAL-NWT01』のコンパクトさが分かる。
私のオススメは『micro iDSD BL』とペアで使うこと。BLはボリューム付きなので、あとはパワーアンプに接続するだけ。
後ほど別記事で詳しくお伝えするが、microSDカードの差し替えでMoOde Playerも使えた。
写真・文/ゴン川野
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!
※記事内のデータ等については取材時のものです。