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仮想通貨で小遣い稼ぎはできるか?素人が1万円分購入してみたら…

2017.12.29

■まとめ

 以上、仮想通貨を購入した筆者が阿鼻叫喚してしまった記録をご紹介した。最後に、この場を借りて今回の成果と教訓を記そう。

 まずは今回の成果だ。12月8日20時(=企画開始から170時間)の時点で、総資産は1万1794円ほど。このなかには少量すぎて売れないイーサリアムとネムも含まれている。最低限の利益は確保したと言えるだろう。

 また、気を失いそうになるが、機会損失の額を概算で出してみよう。

 仮想通貨を購入する準備の整った11月21日の時点で1BTCは93万円。このときに1万円分のビットコインを購入し、12月8日の1BTC=200万円で売却したとする。

 (1万÷93万)×200万=2万1505円

 そこから現在の資産を引いてみると、約9700円の機会損失。もしくは、12月5日のときに1MONA=850で12枚購入し、12月7日に2100円で売却したとしよう。現在の資産と差し引きしてみると……。

 (2100×12)-1万1794=1万3894

 約1万4000円の機会損失……。豪華な忘年会が開ける額だ。100万円でこの企画に挑んでいた場合、機会損失は100~140万円に膨らむ。世間が仮想通貨で大騒ぎするのも分かる。たった1週間で100万円の利益や損失が出たら、誰もが叫びだしたくなるだろう。

 ここまでより筆者が得た教訓を述べていこう。もし仮想通貨に手を出すなら、有名な仮想通貨をまんべんなく購入し、ホールドし続けるべきだ。また、仮想通貨で儲けたいならば、半端な知識ではダメだ。ネット上では毎日のように仮想通貨の値上がり・値下がりに関するニュースが流れている。それを敏感にキャッチしていれば、今回の暴騰も事前に予測できていたかもしれない。知識がなくても仮想通貨で利益は出せるが、やはり大儲けできるのは、仮想通貨に関心を持って本気で取り組めた人だけだ。

 また、仮想通貨は「投機」なので、どちらかというと「ギャンブル」の分野に入る。投資家でない限り、基本的に生活余剰資金で行うべきだろう。間違っても全財産を突っ込むようなことはしないでほしい。企画終了して一週間ほど、引き続きビットコインの値動きを見ていたが、一時260万円に到達し、なんとその後150万円まで暴落。12月16日に再び200万円を突破。信用取引やビットコインFXをしていた人は多額の借金を背負ったかもしれない。これは「人を殺す値動き」だ。ビットコインは人の人生を変える悪魔の通貨の一面も持っている。

 初めて仮想通貨を購入する人は、まずは1万円から始めるといいだろう。そこで仮想通貨の性質やコツをつかみ、慣れた頃から資金をどんどん足していけばいい。機会損失に泣いた筆者だが、一切損を出していないのも事実。ギャンブルで大切なのは、勝つ方法ではない。負けない方法だ。読者が仮想通貨で負けないよう、人生が狂わされることのないよう、心から願う。

取材・文/いのうえゆきひろ

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