■『STICS』
これまでにない「プロ志向」を目指したフィジェットとして、フィジェットファンの大きな注目を集めているのが、この『STICS』だ。ノック式ボールペンのノックやマウスのホイールなどの定番的な機能にくわえ、3cmだけの巻き尺を出したり引っ込めたりといった、類似品にはない新機軸もあって楽しい。機能は9種類とダントツの多さで、Kickstarterでは目標額の2倍の約2万ユーロを集めた。
■『SUBSTITUTE PHONES』
こちらは、オーストリアのデザインオフィスで制作されたもので、この名称には「電話の代用」の意味がある。標準サイズのスマホと同サイズで、画面の代わりにボールが横一直線に埋め込まれている。スマホをスワイプする感じで、ボールを指ですべらせることで手持ち無沙汰が解消でき、スマホ依存症からの脱却にも役立つ。
もともとデザイン関連の展示会に出品するために作られた1点もので、市販の予定はなかったという。しかし、多くの海外メディアに取り上げられて話題となったたため、製品化へと動く可能性はある。
■『Fidget Knob』
人間工学の観点から設計された、ドアノブの形状を模したフィジェットで、弾力性のある素材でできている。クルクル回したり、ぷにぷにとつまんで日ごろのストレスを解消させるという通常の使い方の他に、スマホの裏面に装着してスタンド代わりにすることもできる。
ちなみに、『Fidget Knob』の開発・製造元は日本の企業だが、最初にクラウドファンディング大手のIndiegogoでプロジェクトを発表し、資金集めに成功してから、日本に逆上陸させている。今後も、(フィジェットに限らず)海外で話題と資金を集めた上で、日本で販売する形のマーケティング手法は、ますます一般化するにちがいない。
文/鈴木拓也
老舗翻訳会社の役員をスピンオフして、フリーライター兼ボードゲーム制作者に。英語圏のトレンドやプロダクトを紹介するのが得意。