クリスマスから年末年始にかけての買い物シーズンには、海外発などの高級ブランドショップに立ち寄るケースもあるだろう。しかしその店内でのふるまいが実は店員から大きなひんしゅくをかっていることもあるかもしれない。そこで、意外と知られていない高級ブランドショップのマナーや店員から嫌われないための方法を、マナーコンサルタントに聞いた。
■よくやってしまいがちな客のNG行動
今回、話を聞かせてくれたのは、マナーコンサルタントで、接遇コンサルタントでもある中川奈美さんだ。高級ブランドのアパレルや宝飾などの国内店舗で、客がよくやりがちなマナー違反の行動には次のことがあるという。
●商品に勝手に触る・勝手に値段を見る
「商品はスタッフに声をかけ、スタッフに取ってもらうのが通常のマナーです。お洋服は店舗によっては直接触れても良い場合がありますが、試着は必ずスタッフにお願いしましょう」
●店舗スタッフの方の都合を気にせず、声をかける
「こちらから声をかける場合、こちらを見守り、待機しているスタッフや他のお客様のアテンド(付き添い)をしていないスタッフ、接客待機のスタッフなど、スタッフの都合も配慮した上で声をかけるといいです」
●シューケースを手指で触る、シューケース上にバッグを置く
「ガラスなどのショーケースに触れると、手指の跡がついてしまう場合もあります。汚さないようにしましょう。バッグを置く場合は、大きいサイズのものであれば床に、小さいものであれば手で持つか、ソファや椅子に置き、ショーケースやディスプレイ棚には置かないように。ショーケースやディスプレイ棚は、そのお店の顔でもあり、入念につくり上げられているものです。美化に配慮ができればいいですね。スタッフが『どうぞこちらにお置きください』と声をかけてきた場合は、それに従いましょう」
●勝手に一人で店内を回り、連れの方も勝手にソファに座って待っている
「女性がアテンドスタッフなしで一人で店内を回り、その間、連れの方が勝手にソファに座って待っているといったこともマナー違反のことがあります。普通はスタッフにアテンドしてもらいながら回るものです。また、ソファは他のお客さんのことも考え、座って待っていてもいいかスタッフに聞くといいでしょう。ただし、リピーター客で、通常そのスタイルでショッピングをする場合はこの限りではありません」
●ブランドミックスで統一感のない装いで店舗に訪れる
「伝統的に、ヨーロッパの高級ブランドを利用するヨーロッパ人は、お好みのブランドで統一感をもって身の回りをまとめます。例えば、プラダを好むなら、靴もバッグもウエアもすべてプラダ。エルメスを好むなら、香りもバッグもシューズもウエアもインテリアも小物もすべてエルメス。そのブランドの世界観が好きで、ライフスタイル全般に取り入れています。
『シューズはプラダ、ウエアはフェンディとシャネル、バッグはエルメスで、時計はロレックス、リングはブルガリで、ペンダントはカルティエ」という風に、ブランドミックスで統一感のない装いで、ブランドショップを利用するのはあまりスマートとは言えないでしょう」