TポイントとPontaポイントの2強時代が長く続いた共通ポイント市場。2014年10月には楽天スーパーポイント、2015年の5月にはNTTドコモのdポイントが市場参入を発表したことで、4強時代へと突入。勢力図が大きく変わってきた。
【「共通ポイント」4強時代 相関図】
◎順調なTポイントに対しPontaは試練の時
共通ポイント運営会社にとって、ユーザーの利便性が高い企業との提携は会員獲得の生命線だ。この4強激戦時代を象徴するように、業界をリードしてきたTポイントとPontaを中心に大型の業務提携が活発化している。東京電力がTポイント、Pontaとの業務提携を発表。続いてNTTドコモがPontaとの業務提携に合意し、dポイントとPontaポイントの相互交換が始まった。こうした業界再編が進む中、各社の現状と今後を野村総合研究所上級コンサルタント・冨田勝己さんに聞いた。
「東京電力との提携で弾みをつけた両社ですが置かれた状況は異なります。アクティブ会員が5400万人と業績堅調なTポイントは、加盟店拡大を粛々と続けながらも、ネットとの融合やメディア事業などの新規事業に軸足を移し、新しい企業体に生まれ変わろうとしています。一方のPontaは、ローソンとの独占契約が崩れたことで利用シーンの利便性を明確に演出する時期に差し掛かっている。早い段階でリクルートとの提携を本格化させ、次の一手を踏みだすことが課題といえます」