■バク転への道 その3「補助付きバク転」
恐怖心を克服したら、あとは実践していくのみ。バク転の感覚をカラダに覚え込ませていく。上の写真のようなフルサポートの補助の場合、これはもう先生を信じて身を委ねてしまうしかない。カラダが縦に1回転することに慣れるためのトレーニングだ。ここから先は、下の写真のように補助を減らしていき、自分でカラダをコントロールする割合を増やしていくことになる。
■1回のレッスンでカラダの感覚が一気に変わることも!
約1時間30分のレッスンで、バク転を目指した筆者が到達したのはフルサポートの補助付きバク転まで。一発で成功させてしまうような人も中にはいるのだろうが、「1時間で誰でも簡単に〜」というわけにはいかないようだ。だが、この先にバク転を出来る未来が確実に待っているという実感はある。
しかも、今回のレッスンではバク転の技術を習得する以上の収穫があった。この日以降、カラダを操作する能力がいきなりアップしたようで、前転や壁倒立、側転(のようなもの。ちゃんと出来ているかは不明)などが以前とはまったく違う感覚で行えるのだ。驚くほどカラダが軽い。まるでゲームかマンガかのように、急激にレベルアップしてしまったのである。
まさか1時間ちょっとのレッスンで筋力や柔軟性、その他の技術的なものが一気に成長するというのは考えづらいので、おそらく「ここまでカラダを動かしても大丈夫」というリミットをレッスン中に振り切ったため、カラダが本来持っている能力を、以前より多めに引き出せるようになったのではないかと思われる。レッスン中にそれほどの無茶をした記憶はないが、あまりに普段しない動きなのでカラダ(あるいは脳)が受ける衝撃は大きかったのだろう。
■意外とコツコツ継続しやすい!?
カラダの動きが良いので動くのが楽しい→楽しいから動く機会が増える→より動きが良くなるという具合の良いサイクルが生まれるので、レッスンを受けてから今日まで、今のところ倒立などの体操的な運動を毎日楽しく続けられている。筆者のように1回のレッスンでハッキリと効果を体感できる可能性もあるので、さすがに通うのは難しいという方も、体験クラスなどのシステムを利用して一度は受けてみることをおすすめする。
実際にやるまではハードルが高いと感じていたアクロバットだったが、効果が体感しやすく、少しステップアップするだけで達成感は抜群。仕事やら、日々の疲れやらと簡単に挫折する我々のような大人がチャレンジするエクササイズとして、実はピッタリなのではないかと思う。試しに一度、チャレンジしてみてはどうだろうか。
【取材協力】
アクロバット講師
NANA
インターハイ、国民体育大会出場など器械体操選手として活躍。その体操競技の経験を生かし、アクロバット講師として幼児から大人まで幅広く指導する。また、紅白に出場するなどダンサーとしてもテレビや舞台等で活躍。
TOKYO STEP ARTS
http://www.t-steps.jp
取材・文/太田史郎(おおた・ふみお)
フリー編集&ライター。最新モノ情報はもちろん、スポーツ、音楽&ダンス事情にも詳しい。