■個々のレベルや要望に合わせた個別指導
ひとしきり倒立にチャレンジしたのち、慣れた受講者は4足歩行や側転など決められた種目を繰り返すドリルのようなものに移行するが、特に強化したいポイントがある人は、この時間に個別で指導を受けることもできる。ここで筆者は、当初の目的通りにバク転の指導をお願いした。
■バク転への道 その1「倒れる」
「まずは倒れてください」
最初のレッスンは『倒れる」だった。いやいや倒れるくらいできるわ! と、若干なめてかかったのだが、意外なことにこれが本日のレッスンで一番の難関だった。一本の棒のようにまっすぐ全身をマットに預けるのがポイントなのだが、ビビって腰が引けてしまい、どうして尻もちのような体勢で倒れてしまう。そう、思ったより怖いのだ。倒れている最中、頭部はこんなにも高い位置にあったのかと言うことを改めて知るだろう。
この恐怖心こそ、バク転を成功させるには越えなければならない最大の壁となる(個人差あり)。他の受講者も一緒にチャレンジしていたのだが、多少心得のある人でも、先生のようにキレイに『ビターン!』と飛び込める人は少なかった。
■バク転への道 その2「飛んで倒れる」
次の行程はその1の「倒れる」とほぼ同じだが、今度は後方にジャンプしつつ倒れる。後方に飛び込んで回転するバク転に、より近い動作となる。どのポイントを難しいと感じるかは個人差がありそうだが、筆者自身の感覚としては、最初の倒れる段階で恐怖心を克服してしまえば、多少ジャンプしてもそれほど怖さは変わらないように思う。マットと大地を信じて、あとは思い切るだけだ。