「米やパンなどの炭水化物は避けて、野菜だけを食べれば太らない」そんな考えを持つ人はいないだろうか。「野菜」といっても実に種類は豊富で、中には太りやすいものもある。また、炭水化物や脂肪分を避けてダイエットを狙うにしても、野菜の選択には気を配る必要がある。そこで、太りたくないあなたに、太る野菜と痩せる野菜の見極め方や、太りにくい食べ方などを、栄養士の見解と共に紹介したい。
■太る野菜と痩せる野菜がある?!米ハーバード大学の報告
2015年9月に報告された米ハーバード大学公衆衛生大学院の研究結果によれば、トウモロコシや豆類全般、イモ類などのでんぷん質の多い野菜や果物が太りやすく、豆腐・大豆・カリフラワー・リンゴ・洋ナシ・ベリー類は痩せやすいことがわかった。この調査では、計13万人ほどのデータから、特定の果物や野菜が体重と関連するかどうかを分析したという。(10月29日「あなたの健康百科」メディカルトリビューン)より)
結果、野菜については、野菜を食べる量が一日に一食増えるごとに、4年間で約0.11kgの体重減との関連が見られたという。そして、豆腐や大豆は約1.12kg減、カリフラワーは約0.62kg減だったが、トウモロコシや豆類全般、イモ類などの野菜は体重増加との関連が見られたそうだ。
このことにより、でんぷん質の野菜は比較的太りやすいことが分かったが、果たして他に野菜には太る要因があるのか、ダイエット中はどのような野菜を選べばいいのか知りたいところである。
■太る野菜と痩せる野菜、見極めポイントは?
そこで、管理栄養士の川口由美子さんに、太りすい野菜と痩せやすい野菜を挙げてもらった。
●太りやすい野菜
ジャガイモ・サツマイモ・トウモロコシ・カボチャ・ニンジン・里芋・キャベツ・タケノコ・玉ねぎ・ブロッコリーなど
●痩せやすい野菜
葉物野菜・ピーマン・ナス・きゅうり・大根・トマト・ゴボウ・オクラ・枝豆など
上記に挙げたような野菜には、それぞれどのような特徴があるのだろうか? また、どのような基準で選べばいいのだろうか。川口さんはこう教えてくれた。
「太りやすい野菜は、でんぷん質の多いイモ類やトウモロコシなどが代表的です。こちらは胃腸に入るとブドウ糖や果糖などに分解されます。中でも糖質が多いのは、カボチャです。少量であれば問題ないですが、食べ過ぎには注意が必要です。
痩せやすい野菜は、反対に糖質の少ない野菜です。ただし、食物繊維の多いゴボウやオクラ、枝豆などは、小腸での栄養素の消化吸収を遅らせてくれますし、腸内でかさを増して満腹感を促してくれるので、痩せやすいほうの野菜に入るでしょう」
もちろん、痩せやすい野菜も大量に食べれば太ることもあるし、痩せやすいからといってそれだけを食べればダイエットに成功するというわけではない。しかし、ダイエット中にできるだけ太りにくく、効率的に栄養摂取のできる野菜を活用することは有効だ。