■揚げものは、油の質、衣の厚さ、甘い味つけに注意
主食とくれば、次はおかず。まず、食べる機会が多い揚げものは、どうだろうか? 例えば、とんかつの場合、ロースかつと一口ひれかつ、野菜巻きかつで一番糖質が少ないのは、ロースかつである。ロースかつは一枚肉のため、断面の多い一口ひれかつや野菜巻きかつに比べて衣の量を減らせ、糖質を抑えることができる。
また天ぷらの場合、えび天とかき揚げだったら、えび天の方がはるかに糖質が少ない。えびしか使わないため、衣のつく量や吸収される油の量を最小限に抑えられる。揚げものの糖質をカットするための注意点やコツは、次のように紹介されている。気をつけたいのは、揚げ油の質と衣の厚さ、そして甘い味つけになっていないことだ。
使い込んだ油は、粘性を増すため、揚げものの吸油率をあげて、脂質も増加します。(中略)外食で食べる揚げものは、衣が厚いものや酸化した油が多いのが難点。衣が薄く、糖質も脂質も少ないものを探すのが、賢い方法です。素材はかたまりのものを。天ぷらであれば天つゆ、唐揚げあれば甘酢あんやケチャップなどを合わせると、糖質が増加します。揚げものは、糖質も脂質も増加します。食べるなら新鮮な植物油で揚げた衣の薄いものにし、衣を残すことも考えましょう。(PART2・66-67ページ)
揚げものは、酒のつまみの定番でもある。居酒屋で揚げもの定番といえば唐揚とフライドポテトだが、この両者だったら唐揚の方が糖質が少ない。糖質の多いじゃがいもよりもタンパク質の多い鶏肉の方が、血糖値の上昇をゆるやかにする。ただし、唐揚も衣で糖質がつき、油でカロリーが上がるので、オススメはできない。どうしても食べたい場合は、衣が薄く、かたまり肉を揚げたものを選ぼう。
酒のつまみといえば、焼き鳥を無視できない。注文するとき、味つけを塩かタレのどちらにするかで迷うことがあるが、糖質を抑えるのであれば迷わず塩を選びたい。タレに使われている砂糖やみりんは二糖類。半分に分解されて単糖となり、すぐ吸収される。炭水化物よりもずっと糖の吸収が早いので、注意が必要だ。
■甘いものは、食べるタイミングを考えて!
砂糖は糖の吸収が早いとなれば、おやつ類が気になるだろう。洋菓子と和菓子だったら、オススメなのは和菓子。和菓子は洋菓子よりカロリー、脂質、糖質が低い。それに、和菓子に使われるあんこは、カリウムなどのミネラルや食物繊維も摂取できるほか、食物繊維によって糖の吸収がゆるやかになる。
そうはいっても、ケーキが食べたいときもあるだろう。そういうときは、チーズケーキをチョイスすればいい。ケーキは高カロリー、高糖質、高資質だが、チーズケーキはチーズを多く含む分、ショートケーキやチョコケーキと比べると糖質が少し低い。おやつで糖質をカットするには、洋菓子より和菓子をチョイスするほかにも、食べる時間も重要。その理由は、次の通りだ。
甘いものは、食べるタイミングを考えて! エネルギーとしてその日のうちに消費できるよう、午後3時ぐらいまでに食べるのがベストです。夜食べるならちょっと我慢をして、朝に変更してみては。1日の始まりの朝なら、糖も消費しやすくなります。(PART5・151ページ)
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■関連情報
『ズボラでも脱糖尿病 血糖値 上がらないのはどっち?』
アスコム刊/板倉弘重、浅野まみこ著
1200円+税
文/大沢裕司
※記事内のデータ等については取材時のものです。