■連載/ペットゥモロー通信
外出する時に、「玄関の鍵を閉めたっけ?」と気になり、もう一度確認をするといったことは誰しも経験があるのではないだろうか? ところが、それが気になって何度も同じことを繰り返すようになると強迫神経症または強迫性障害(Obsessive-compulsive disorder / OCD)という病気だと言われる。
たとえば、あるものが不潔な気がして触れない、触ったとしてもその後に何度も繰り返し手を洗う、ものの数や回数を何度も確かめないと気が済まない、など。重症になると周囲の人間にも同様のことをするよう求めたり、鬱病を併発したりすることもあり、本人にとっては辛い病気となる。
これは人の病気であるが、犬にも似たような症状が出ることがある。一般的に常同行動または常同障害と呼ばれ(犬の強迫性障害Canine compulsive disorder / CCD)、主に以下のような症状が見られる。
- 同じ場所を行ったり来たりと繰り返す。または、同じ場所をぐるぐると歩き続ける。
- 自分の体の一部(足先や脇腹など)を舐め続ける。または、カプカプと噛み続ける。
⇒ 自分の体の場合、そのことによって炎症を起こしたり、傷になったりしていることがある。
- 自分のしっぽを追い駆けてぐるぐると周り続ける。または、自分のしっぽやお尻のあたりを気にし続ける。
- 空中に何かあるように追い続けたり、カプッと噛むような仕草を続けたりする。
- まるで自分に向かって吠えているかのように吠え続ける。など
このような神経症状は何らかの不安やストレスが要因になっていることが多いと言われるが、犬は人にとって身近な動物であることもあってか、モデル動物として人の強迫神経症の研究に用いられることがある。