つまり、人間にとっては小さな音でも、猫にとってはかなり大きな音として聞こえてしまうので、耳のすぐ近くについている鈴の音は、猫にとって耳障りな音になっているといえそうです。
また、猫が寝ているときでも耳は常に敏感に音をキャッチしています。そのため、猫が寝返りを打った際の「チリリン」という鈴の音にもいちいち反応してしまっているそうなんです。
ただ、足音を立てない猫の居場所がすぐにわかるという点では、やはり首輪の鈴は必要なものですよね。猫が狭いところや見えないところなどに隠れてしまった場合に、猫が鳴き声を立てなくても、首さえ動かせば鈴の音で見つけることもできます。
また、突然、足元に猫が寄り添ってきたときも、鈴の音さえすれば、誤って猫を踏んでしまうとか、猫につまずくといった事故も防ぐことができます。
お外に出てしまう(脱走してしまう)猫には、音のしない迷子札を首輪につけるとか、マイクロチップをいれるなどの対処法もありますが、猫の体内にマイクロチップを入れるかどうかは、また別の問題な気もします。
そう考えると、首輪の鈴はメリットもデメリットもあるため、絶対に外すべきだという結論を出すのは、ちょっと強引な気がします。
子猫の段階から鈴付きの首輪をつけると、「この音は安全」と学習し、次第に慣れることもあるそうですが、成猫になってから鈴付きの首輪をつけることは、猫にとってはかなりのストレスに感じるようです。
そもそも、首輪の鈴だけでなく、首輪自体も猫にとっては厄介な存在と言えなくもありませんよね。自分の家族である猫ちゃんと、長く幸せに暮らしていくために、猫ちゃんに鈴付きの首輪を付けたほうがいいのかどうか、じっくり考え、猫ちゃんの様子を見ながら改善していくのが最良の方法だといえそうです。
文/佐藤玲美
構成/ペットゥモロー編集部