そろそろ「食欲の秋」も大詰め。すでに秋の味覚を味わい尽くした人もいるかもしれない。しかし美味しく食べた後に気になるのが秋太り。これから年末にかけてますます美味しいものを食す機会が増える中、そのお助け食材の一つとして「アロエ」を紹介しよう。
■アロエベラに含まれる「アロエステロール」の抗肥満効果
アロエはユリ科の多肉植物で、その種類の数は600以上にも上るといわれる。そのうち、葉肉のゼリー部分が非常に大きい「アロエベラ」には、200種類にも及ぶ有用成分が含まれているという。
そのうち、5つのアロエステロールという機能性成分には、抗肥満効果や抗糖尿病効果があることが最新の研究で分かっている。
京都大学 農学研究科で食品機能学を研究している河田照雄教授によると、アロエステロールには、中性脂肪の代謝を制御するPPARaに作用し活性化することで、脂質代謝や糖代謝を促進する作用があるそうだ。
また、消化器官に働きかけ、食後の血中脂質上昇を抑制することで、食後高脂血症を改善することも明らかになっているという。これによりアロエベラには脂肪燃焼促進だけでなく、抗肥満作用を示す可能性も示唆された。
また、アロエベラには他にもがん予防や創傷治癒作用、うつ症状の軽減、美容効果などさまざまな健康的機能が期待できることが確認されている。
■アロエは食物繊維が豊富で低カロリー
そしてアロエは栄養の観点からもダイエット向きの食材であるようだ。
管理栄養士の岡田明子さんは次のように教える。
「アロエ(葉・生)は、100g 3kcal(*)と、とても低カロリーな食品であるのに加えて、食物繊維も多く、ダイエットにおすすめです。食事の最初に食べることで、後から食べる糖質や脂質の分解や吸収を遅らせて、血糖値の急上昇を抑えることができます。
また、アロエは噛みごたえもあるため、自然とよく噛むようになり、満足感を感じやすくなります。この秋やクリスマス、年末年始時期の食べ過ぎ防止にも役立つでしょう」
*日本食品標準成分表2015年版(七訂)
岡田さんによると、アロエには日本人に不足しがちなカルシウムや葉酸などの栄養も含まれていることから、その意味でも理想的な食材といえるそうだ。