「平成28年排出ガス規制」が今年9月に適用され、250ccオフロードバイクの多くも生産終了がアナウンスされた。たしかに全国各地で林道の舗装化や進入禁止処置が進み、年々、気軽に入れるダートが減っていて、その人気は全盛期に比べると大きく低下している感は否めない。しかし、それでもオフロードバイクは消えるべきではない! と、僕は強く思うのだ。ここではそう断言できる魅力の数々を紹介したい。
最近では「オフロードを走るバイク」といえば、ホンダ・アフリカツインやBMW・R1200GSといったアドベンチャーツアラーを思い浮かべる人も多いだろう。たしかにこれらのモデルはオン/オフ両方を得意とし、状況に応じて出力特性を変えられる走行モードやトルクコントロールなど、最新の機能が与えられていて、大きくて重い車体ながらも、ダートをガンガン走ることができる。
しかし、これらが得意のはあくまでの広めのフラットダートだ。対して250ccオフロードバイクは、狭くて起伏の激しい悪路でも難なく走ることができてしまう。これもひとえに車体のコンパクトさと軽さ、そして250ccの扱いやすくも最低限のパワーはしっかりと備えたエンジンがあるからこそ。最新機能は持っていないが、自分の意思と力量でバイクを自由に操ることができのだ。
また、北海道や九州などのツーリングスポットでは、絶景ポイントや秘湯が長い長いダートの先……なんていうことも少なくない。つまりダートを走るつもりがなくても、行きたい場所がダートの先なら入っていくしかない……そんなときでもオンロードバイクで行ける場所はもちろん、オフロードバイクでも行ける。そんなときにこそ、250ccオフロードバイクは本領を発揮するのだ。
そう、日本中のすべての道、そしてツーリングスポットを楽しみたいなら、250ccオフロードバイクが最適だといえよう。